新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

お葬式

 葬式。今日のお題である。いろいろな文脈で、葬式というのは生きて残された人間が気持ちに区切りをつけるためのものであって本人のためにするのではない、と語られることが多いが実のところその通りだろう。なにせ、葬式というのは主に宗教に依って行われる事が多い。最近では無宗教のお葬式もあるそうだが、お経が流れてないと「なんか違う」と思ってしまう辺りが仏教の染み付き具合を感じさせる。

 

 いままで大規模災害等でいっぺんに葬式をあげたことはないが、それでも数回は葬式・通夜に出ることはあった。どういうわけだか数珠も持っている。というわけで何度か焼香をしたことがあるが、何ぶん不慣れなことなので慌てて失敗をすることもある。地元で友人のお祖父様が亡くなった時の話だ。小さい頃から友人である孫と一緒によく可愛がってくれたお祖父様なので焼香に、と伺ったら、なにを慌てたのかこれからつまむお香ではなく燃え盛る香炉の赤熱した炭を掴んでしまった。ところが人間、熱いと覚悟していないのでおもくそギュっとつまんでしまっても熱が伝わるまでしばらくかかる。0.02秒くらいだろうか、熱が脳みそに伝わってまず「?」となる「熱い?なんで?」から次の瞬間、反射で手が離れる。「ぎゃっちちい」と叫びそうになるのを必死で抑え、よくよく目を開いて見るとどうやら燃えてるほうをひっ掴んでしまったらしい。これには当然理由があって、一旦お通夜が落ち着いたところにおじゃましたため、お香がほとんど燃えてしまい、煙がなく、炭が静かに燃えているだけであった。さすがに勢い良く煙が立っていればよほどの間抜けでも燃えてる方に手をのばすことは無いはずだ。きっとデザインが悪いので焼香の場には近々テプラによって「あつい!」とか「新品のお香はこちらです」「←つまんで落とす」とか貼られる頃合いであろう。人々の営みは生き物であるから、そのような運用上のカバーから将来的には香炉に「あつい 注意 あつい 高温 やけどにちゅうい」と陶器の彫りで入れられる日がくるような気がしている。

 

 喪服萌えというか、人が死んで寂しくなっちゃって、そこからセックスしてしまうという話もよく聞く。エロゲにもある。吹奏楽部の部長が電車に轢かれてその告別式の後でヒロインと結ばれちゃうカナリアっていうフロントウイングが出してたゲームのお話です。葬式が出てくるのに未亡人がヒロインじゃないってのがまた。

 

 皆様も、焼香される際は、どうか、燃えてるほうに手を突っ込まないように気をつけてくださいね、熱いですよ。

ぼくとロンドンブーツ1号2号

 今日のお題はなかなか難題である。テレビ観いへんようになって長いからロンブーってどんなんやったかなあと公式サイトを覗く。

search.yoshimoto.co.jp

 

 ベネッセの通信教育の冊子(ガバガバ記憶)には、学校で出し物を命じられた際に漫才をやれという例で「ロンドンスリッパ3号4号」というコンビが登場したが、なんで続き番号を振ってあるのかなかなかに面白い案件だと思う。名前は違うが号数は続き、みたいな振り方をしなくても良いではないか。国鉄/JRの特急列車のように、「特急ロンドンブーツ号」と「特急ロンドンスリッパ号」は目指す地点が稚内と釧路ぐらい違うのだから、ロンドンスリッパも1号と2号で良いはずなのだ。ところがこの説には異論が存在する。そう、同じ学校の、別の児童の出し物として「ロンドンスリッパ1号2号」が既に存在するという可能性を滲ませている。恐るべし進研ゼミ小学講座。きっとロンドンスリッパ1号2号は1科生のエリートで最高にいけ好かないし面白くない漫才をするのだろう。そこで2科の雑草コンビがロンドンスリッパ3号4号で大変笑いのツボを押さえて全校児童の腹筋を根こそぎ持っていくのであろう。決め台詞は「漫才がウケたって学校では評価されへんからなあ」であろう。きっとそうだ。そうであってくれ。

 

 というわけで、まるでロンドンブーツ1号2号に触れずに終了と相成りました。ごめんね吉本興業さん。悪気はないんだけどオチがつかへんかった。

 

 来世が女子トイレのスリッパ……スリッパつかうような床の汚いトイレもどんどん絶滅して乾式のトイレになっていくんやろなあ……。

よく行くチェーン店

 今日のお題は「よく行くチェーン店」ということで罠認定だ。私は諸般の事情で居場所を明らかにしていない。ここで素直に行く店を明かせばその時点でいくらか住んでいる地域が絞れよう。あのアニメイトですらようやく47都道府県を制覇したところだ。最後になったのは島根県で、松江のイオンモールに入居したのだったか。それは良いとして、罠というわけで今日は強制的に罠のお話をさせてもらおう。

 

 罠は日常色んな所に潜んでいる。たとえば求人票。学部新卒22万円、ほうほうなるほどとよく見ると下の方に「東京地区・独立者の場合」と書いてある。従って、寮に入ったりしていると社宅負担を取られるばかりか独立手当がなくなり、東京地区の本社ではなく地方の工場に勤務すると都市手当がゼロになって実際にもらえるのは18万円だったりしてしまうのだ。なんということだ。This is not good for the market.

 

 あとはよく聞く話だと安全日詐欺という罠がある。いわゆる出来ちゃった結婚狙いか、はたまた天然か、あるいは油断か、どういうわけだかピルを飲んでいるわけでもなく基礎体温をつけているわけでもないのに生パコOKで巧みに妊娠を狙うというヤクザ漫画に出てきそうな罠だ。浮気相手とセックスして、2-3日自宅に戻るときに言われるセリフが「お願いがあるの、奥さんとセックスしないで」だったりするアレだ。そして自宅に帰ると奥さんがやけに乗り気で押し切られて膣内射精。数ヶ月後に奥さんが妊娠して浮気相手とマズいことになったりする。さあ何がマズいんだろうね、墓場で悔いればいいと思うがまあ知ったこっちゃあない。現実問題、今はDNA鑑定もできてしまうわけだから「できちゃった♡」という言葉の裏には「DNA鑑定してでもてめえの種だから養っていただこうか」というロシア外交みたいな思念が出口を探してぐるぐるしているわけで、読者諸賢は安直な生セックスのお誘いに対し常に最悪(最高?)のシナリオを描いて、ベッド上の危機管理を忘れることなく生きて帰ってきて欲しい。

 

 40オーバーのオバハンに生逆レイプ仕掛けられたら染色体異常の恐怖で脳みそが沸騰しそう。

近世以降の性と近代の性について、最も大きく異なると思われる点をあげ、その理由と発生要因について自分なりに考察せよ。

 ↑という大変長いお題を頂戴いたしましたが、例によって私は社会学を専門にしておりませんので、女体希求学の観点から適当にお答えすることにします。

 

 そもそも近世とは、近代とはなんぞやというところからからでしょう。日本史では安土桃山時代~江戸時代を近世、それ以後、明治維新から太平洋戦争の集結までを近代とするようです。……わかんねえな。わかんねえよ。

 

 ではここにデロリアンが用意されていて私はMT車の運転ができるのでバック・トウ・ザ・江戸時代……ってのが出来ればいいんでしょうけど、そういうわけにまいりませんので足りないアタマをひねって考えることに致しましょう。「最も大きく異なる」ということなので1点に絞って考えれば良いことになります。とは言え、盆踊りで乱交してた頃は"近世"でしょうし、大正デモクラシーバツイチ上等になったころは"近代"だろうし、かと言って戦時中の華やかな行為行動が制限された頃も近代でしょうし、なんとなく民俗学的に私の事典からスポっと抜けてる明治あたりは"性"がどのようなものであったか皆目見当もつきません。

 

 ここからはたっぷりの言い訳を含んで参りますが、人間、寝て起きたら明日から突然美少女3人と同居して四六時中種付け生セックスだけをしていればよくなる、というのは起こりません。というのは極端にしても、明日から最低賃金が時給8億円になるとか、地球の自転が突然止まるとか、コンドームの製造販売が禁止になるとか、3ヶ月以上セックスしていないと有罪で、交通刑務所の亜種の子作り刑務所に入れられるとか、そういう不連続な、微分不可能な強烈な変化というのは、1日で起こらないというのが相場です。従って性に対する認識も、昨日と今日で少しずつ変わっていくのだろうということが考えられます。近世と近代の境目、大政奉還の次の日から突然江戸の街が更地になって区画整理されて人々が浅草十二階みたいな建造物に住み洋服を着るようになったとは考えられません。

 

 従って、お題にお答えするとしたら「そんな点はない、従って理由もない、トレンドはいつの世もミクロな人と人の関わり合いから変遷していく」というものになるでしょうか。納得いただける答えとは思いませんが、今日も昨日の続きであるという考え方を大切にさせて頂くとこういうことになります。

 

 でも起きたらなぜか美人に囲まれてお金の心配せずに朝から晩まで種付けファックし放題でむしろそうしないとマズいみたいな状況になっているというのは大変夢があると思いますし、40代になってから40代の嫁を貰って勃ちもしないペニスを老化が隠せない裸体とともに染色体異常が脳裏をよぎりつつ気が進まない子作りをするという消極的な未来も想像できるわけで、人生1日1日を大切に生きていかねばという思いを新たにしなかればなりませんね。

 

 こんな駄文章を読んでいる暇があったら新鮮な子宮に精液を流し込む算段をつけるとか、子宮が新鮮なうちに精液を流し込んでもらう算段をつけるとかしたほうがいいですよ、と、いまこの瞬間も失われつつある画面の前のあなたの「若さ」に対して危機感を植え付けたところで今日のところは失礼致します。

 

 どうやったら女子高生と話を合わせることができるのか、その謎を解き明かすべく我々は子宮に飛んだ。

松茸

 松茸くん。今日のお題です。松竹くん、って居ましたよね。ミルモでポン!のキャラクター。メインヒロインのことが好きで金持ちでルックスも悪くないのに上位互換のイケメンにおいしいところを持っていかれるキャラだった気がします。まけるな松竹くん。

 

 さて、今日のお題は松茸ということで、松茸にまつわるお話をせねばなるまいと思います。食材としての松茸は、実は私の好物のひとつです。かつて祖母が健在だった頃はよく松茸の佃煮と松茸ご飯を作ってくれました。香りもへったくれもなくて単に食感が好みだったからだけなのでエリンギでも食ってろと言われてしまいそう。しかしながら、祖母がなくなり、別の人に佃煮を作ってもらうとまるで味が違うんですよね。こう、祖母の作る佃煮は「くらえこれでもか」といったぐらい醤油が強く、高度経済成長というか、肉体労働というか、汗だくになったあとに美味しいやつでした。しかして今日の減塩健康の流れに沿ったあまり保存の効かない薄味の佃煮だと醤油パンチが足りないような味に仕上がってしまうのは否めません。日本人は塩分を取りすぎるというのが通説ですが、摂った塩分を汗で流してしまうぐらいの運動が足りていない、ひいては運動する時間が取れない生き方のほうに問題があるように思います。

 

 松茸というとカサの開いていないものがお上品とされるイメージがありますが、そのビジュアルはさながら男性のシンボルに通じるところがあります。が。しかし。丸焼きでも無い限りは調理過程で刃物を入れて食べやすいサイズ(意味深)にしたり、丸焼きにしても薄く割いたり(意味深)するのが生々しいので、調理中はあまりそのようなことを口にしないほうが良いでしょう。どうでもいいですが私は血の流れとか血管の話が大の苦手でして、怪我して血が滲んでくるのはいいのですが、血管が破れて、まるで水道管が破裂してそこから毒が入ってくるような、血管がちぎれてうまくつながらないような……←という文章を書くだけで過呼吸気味になってきたのでこの話はやめておきます。高速道路のSA/PAのトイレに貼ってある事故車写真(血まみれ)とか見ると過呼吸になるお友達とは仲良くなれそうな気がします。

 

 股間の松茸をおいしそうにしゃぶってほしいなあ。

シェールガス革命

 きょうのお題シェールガス革命である。シェール層とかいう液体やガスが取り出しにくい場所から湧いてくる天然ガスが採れるようになりました、というのがシェールガス革命のことらしい。メタンハイドレートでもなんでも良いが石油が出ないに等しい日本にとって一番気に入ることは価格である。アメリカやカナダでシェールガスが採れるようになってびびったのが中東の産油国で、シェールガス登場以来原油価格が低廉に抑えられつつあるというのが昨今の動向である。なにしろ、シェールガスの高度な採掘技術に回せるお金を減らしてやれば、つまり石油がめちゃくちゃ単価を下げれば、シェールガス開発は白旗を上げて撤退し、再び産油国原油価格を高めに設定して左団扇ごっこができる。頑張れメリケン。スク水キチガイシェールガスでガス代が安くなるとなれば断腸の思いでスク水を捨て星条旗ビキニとチアガール万歳の立場を取ることを難くお約束する。手始めに、毎日風呂に入って皿を湯で洗うだけで1万3千円もぼったくる邪悪なプロパン屋を潰すところからお願いしたい。

 

 一番気に入っているのは値段であるから、自宅の隣がゴミ処理場であろうが発電所であろうが、無料で風呂に入れて無料でプールを使えて無料でスク水JKとふれあってそのまま持ち帰れるならそれが一番良いというのは改めて書くほどでもないから、これから首都を移転するなら九州あたりの温泉がボコボコ湧いているあたりが良いだろう。寒いと人間鬱になるから石油かお湯の湧いているところが発展するはずだが、悲しいかな石油は出ないし温泉は活火山とセットなことが多い。

 

 燃料が安価になればやることは一つである。外が冬でも家の中は常夏の様相を呈していつでも躊躇せず全裸になれる。全裸になっても汗ばむ気温でとびきりの美人と生セックス。高めの体温から香る女の甘い体臭が人間を狂わせる。そう、シェールガス革命とは冷え切った夫婦関係の改善、ひいては少子化対策として考案された政府のファイナルウエポンなのだ。

 

 夏場はそのままの気温で汗だくセックスを楽しむのも良いが、暑すぎる場合には冷房が必要だ。そこで安価なガスを用いる。そう、ガスヒートポンプエアコンでの冷房である。ガスエンジン駆動の室外機でパワフルに冷房。そのまま冬場はガスエンジンの排熱で霜取り運転要らずのパワフルな暖房。そう、実は、ガスという燃料はそのまま燃やすよりガスエンジンの回転に用いるのが最適なのだ。

 

 現状でも毎日美人とセックスできるんだったら多少高くても灯油なりなんなり買うから膣内射精させて欲しい。

ユーロ危機

 今日のお題はユーロ危機。欧州で国境をまたいで使える通貨として鳴り物入りで登場した(気がする)ユーロ。今ではバルト三国でも使える通貨として流通するすごいやつである。日本という場所から見ると、1単位通貨あたりの値段が米ドルより10円ぐらい高いハイオクガソリンみたいなヤツ、という認識しかしていない私のような能天気野郎も多いであろう。なにより複数の国家で通用するのはともかくとして、法定通貨として使われるというのがいまいちイメージできないのは島国で育ったからだろうか。国境をまたいで両替商を探してどうの、というと中世の行商人のようなイメージばかりが先行する。あるいは電波少年か。両替屋に札束ちょろまかされてその後両替屋のオバハンが警察に捕まるシーンは印象的だった。なすびが懸賞だけで生活させられて、ザブトンで局部を隠してキムチを受け取るシーンと同じくらいに。

 

 つまるところユーロ危機と言われてもピンとこないのが実情である。ギリシャとかアイルランドとかが財政的に終了して、そこをドイツがメルケルの顔芸でなんとか保たせているというのが日本国民の認識である以上、それ以上の詳細情報は不要だろう。ギリシャのアイツらはシバかれパワーが足りない、気合いが足りねえだらしねえなあギリシャのギリってのはキリギリスのギリかよ、と、遠い世界の他人事で済ませておけばよかろう(よくない)(申し訳ない)。

 

 通貨がヤバい、というイメージすら掴みかねるのが日本円を通貨として利用する我々の悪いところだ。なにしろ、「何かしら」が起こると円が高くなるのだ。笑うしかない。これはトヨタ自動車を始め、日本が長らく輸出メインで食ってきたから、「円安め」のほうが国内は美味しく頂ける人が多いからだと小学校では説明される。……だからといって日本国内が無能政治に侵されたり大震災が起こったりした際に円が強くなって良い理屈にはならないわけだが。

 

 ここで少々為替の話をする。簡単のためにまず1ユーロは100円とする。日本国内で100円のアイスクリームを輸出し、ドイツのFKKの売店で1ユーロで販売する。アイスクリーム屋は1ユーロを得る。ところが、輸出して1ユーロをもらうまでの間に1ユーロは90円になってしまった。するとどうしたことだろう、100円のアイスをドイツに輸出したがために10円の損をしてしまった。……ところが、だ。このアイスクリーム屋が為替証拠金取引、いわゆるFXをやっていたとする。アイスクリームを輸出したのと同時に1ユーロをFXで売る。するとその場で100円が手に入る。アイスクリームが売れた後でユーロが50円になろうと知ったこっちゃなくて、その1ユーロを返済して、手元には100円が残る。……というふうに、為替証拠金取引というのは為替をおもちゃにしたバクチではなくて、実体のある商売を営む場合の為替リスク低減策のひとつである。輸出先の通貨を売っておいて、先に売上金を手元に持っておくと考えれば前借り、という感じの借金に近いことがわかる。けっしてチャートが荒ぶった翌日に電車へ飛び込んでみたりするためにあるのではない。実体のある商売が伴っていれば、たとえドルがナイアガラしようが、ユーロがぶっこいてEUが終わろうが、命まで取られはしないのだから。

 

 基本的に通貨がヤバくなると一般的には価値が下がることになっている。記憶にあたらしいところではジンバブエ・ドルだろう。インフレの制御に失敗し、最終的に100兆円札を発行したことは特筆に値する。その後は大規模なデノミネーションを行ったが、ついに廃止。農業の不作と合わせ、政府に求められるがまま中央銀行が発行を行い、結果としてモノ不足なのに通貨量がバカみたいに増え、物価の暴騰と相成ったらしいがそのあたりは経済学者におまかせしたい。私は大学の一般教養で取った経済学の、とりわけ米国穀物価格がドラスティックに引き下げどうこうという話を7割寝ながら聞いた範疇でしか経済学を理解していないのであとは任せる。

 

 身近なところだと日本もハイパーインフレを経験している。戦後すぐの混乱期である。預金封鎖と新円切替でインフレを抑制しようとしたようだが、折からのモノ不足により、建売住宅の価格も戦前の200円から、昭和22年場面で数十万円にまで高騰した。「この世界の片隅に」ですずさんが心配したように、キャラメルの値段もどんどん上がって行ったのだ。私の生家の土地もこの頃購入され、50坪で2,000円だったと聞いている。とにかく、物の値段が去年の2倍、来年はその倍、となる時代であったため、手元の現金は何かしらのモノに変わってもらわなければ安心できない。貯金は無駄である。今では想像し難いことだが、今300万円持っているとして、来年の今日まで使わないと100万円になっているかもしれない恐怖がそこにはあったのだ。

 

 そのようなインフレ局面で一番お買い得なのはなんだろうか。なるべく価値の減らないものがいい、と考えるとそれは人間である。そう、現金で持っていても意味がなくなるくらいなら家族に食わせてやるほうが良い。世間体もついてくる。中出しセックスし放題。ラブホ行って旅行行ってクルマを買って、とにかく現金以外の何かしらを得ておかないと大損ぶっこくのだ。金価格ですら安心できない、ましてやアズキの相場などまるで分からないのだからなるべく価値の減らないもの、価値の増えるものとなると家族、とりわけ子供であろう。日に日に成長するわけだから100グラムあたりの価格が同一であるとすると食わせれば食わせるほど大きくなってお買い得である。

 

 翻って現代、どうだろうか。完全な独断と偏見であるが、デフレ傾向はあと5年は堅調に思われる。そうなると現金を溜め込んでおくほうが有利である、というのは何度も話したとおりだ。近所のハードオフで2年前の、最低限の性能のビデオカードが4,000円で売られているのに、同様に最低限の性能のビデオカードがアマゾンで新品2,980円だったりするのだから、選択肢を増やすという意味では現金を現金の形で保持し続けるほうが有利である。当然、現金を湯水の如く吸い取られることはしないほうが身のためである。どうせ付き合うなら銀座で喫茶店に入りたがる女ではなく土日はパジャマでゴロゴロしている女だ。カネは徹底的に貯めておいたほうが有利なのだから。バブル期の価値観をそのまま輸入しているようなバブリー女は放っておけば良い。デフレ局面が終わるまでには勝手に劣化して阿鼻叫喚であろうから、そういう金のかかる女の相手はインフレ局面の到来まで待てばよいし、その時その時で若い女は居るだろうから心配は要らない。

 

 ユーロがぶっこいてハイパーインフレになったらむこうでお嫁さんもらおうな。