新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

学校で習ってない

 皆様は小学生の頃、「学校で習ってない」という魔法のワードを保護者に向かって唱えたことがあるだろうか。小学算数の文章題でxだのyだのと方程式を持ち出された時などに唱えると効果は抜群で、鶴亀ランド摩訶不思議計算、通称つるかめ算などという面妖な手法などとうに忘却してしまった保護者に対して「学校で習ってない」と唱えると、我が子のアホさに驚愕して勉強を看てやらねばなるまいと一発奮起した保護者のやる気もあさって、晴れて勉強机から釈放されるという寸法である。実際のところ、学校で習ってないものは塾通いの金満家庭のおガキ様でもない限り解けないのがお脳の程度が並盛りというものである。時折脳みそにインテル入ってるおガキ様というのがいて、小学生の時分から数学と慣れ親しんでいるとかいうのがあるが、そういう正規分布の右端左端のキテレツな部分の話は今回していない。正規分布で2σ、つまりまともな95.4%の範疇に収まるような平均的小学生(くそがき)をイメージしていただければ幸いである。


 さて、そんな平均的小学生だった私は天啓を受け、小学校2年の頃にはとある世界の真理に本能から気づいていた。東京のとある小学校では、当時体育の着替えは男女同室であり、水泳の季節ともなると女子小学生の全身が綺麗に拝めたのである。未だふくらみのない同級生の裸は綺麗であった。閑話休題。世界の真理とは、「よくわからないが、ちんこをまんこに入れることが実は可能で、そうすると子供ができるのではないか」という点である。しかしながら、この疑問について学校教育では明確に回答が得られたことはない。高等教育機関である大学を卒業するまで、生まれてこの方「セックスというのはチンコを勃起させてマンコに挿入し、精子を膣に注ぎ込んで子宮、卵管部で受精し子宮内膜に着床させるために行う」という内容を明確に学んだ記憶がない。確かに、中学高校の保健体育では「子宮、卵管部で受精し子宮内膜に着床させる」という前文後半部の内容は習ったし、テストにも出た記憶がある。しかしながら、勃起であるとか、濡れるであるとか、そもそもセックスの物理的概念、すごく雑な言い方をすると「チンコをマンコに入れる」という部分についてはまったく説明がなかった。まるで「きみたち本能でわかるでしょう」とも言外に言いたそうな教育が行われているのだ。

 無論、健全な男子ならば2億%以上している(1人が平均で200回以上経験する)であろう自慰行為、いわゆるオナニーについてもまるで詳しく説明がない。「膣を模した形状の手やオナホや床など、他人の肉体ではないものを用いて、チンコに刺激を与えて射精すること」などとはどこでも習っていないのである。つまるところ、チンコに対してまるでマンコに入っているかのように騙して精液を出す行為のことなのだが、こう考えると……チンコ……すごく単純です……。本物のマンコ以外に精液出してもまるで生産性がないのに……同じ脳内会社組織に属する右手さんがマンコのふりしてるだけで射精しちゃうなんて単純すぎです……ふだんおしっこ専用肉ホースだからって、仕事が少ないからってグレてしまわれたんでしょうか……。

 私はいわゆる先輩後輩のヤンキー文化圏の外側で育った上、父は単身赴任で思春期の頃には同居しておらず、オナニーやらセックスやらを教えてくれる存在とは疎遠だったのであるが、その分は自分のお脳とインターネットでカバーした。オナニーは自分で気づいた。「ひょっとして右手をマンコみたく丸めてチンコに当てれば『何か』が起こるのではないか?」ということで、とある小学5年の夜に自室で深夜に仰向けになってチンコを握っていた。その頃はチンコがズル剥けではなく、カリ首のところまでしか剥けなかったことを思い出す。そうこうしているうちに、ひょっとして前後動させるのではないかと試行錯誤し、よくわからないまま1週間程度実験のようなことをし、ようやく精液の出ない絶頂を迎えた頃にはズル剥けちんこの出来上がりである。こうして私はオナニーを覚えた。独学でオナニーを習得するなど今思えばろくでもない小学生だ。射精が始まったのは中学に入ってからである。


 ぬめりのpatoさんが以前書いていたが、ひょっとするとオナニーというのは物置小屋で白味噌を用いて行うのが『普通』で、自分のオナニーは変なのではないか、という類のおもしろい心配はしなかったが、当時からある程度空気は読みつつも同調圧力で行動することに対し疑問を抱えていたからだろうか。


 その頃通っていた小学校には図書室が2つあり、新しい本が置いてあって先生常駐の第一図書室、古い本ばかりで先生がいない第二図書室とがあった。もちろん昼休みにおける私の居所は第二図書室である。疑問を晴らすべく性教育の本ばかり読んでいたから、セックス、コンドーム、ペッサリー、低用量ピル、子宮内リング、基礎体温法、殺精子ゼリーそして間違っているオギノ式あたりの一通りの知識はそこで会得した。今思えばろくでもない小学生だ(二度目)。もちろん、その後にインターネットという素晴らしい文明のおかげで、低用量ピルがあまり普及していないこと、ペッサリーと子宮内リングは原則として経産婦に使用するためどちらも廃れ気味であること、そして殺精子ゼリーにはフィルム状のものもあるが、コンドームが破れた時のための保険程度で気休めにしかならないことなどを追加学習した。

 近いうちに児童ポルノは単純所持が禁止されるそうだが、かつて関西援交というひどいビデオが出回ったことがある。かいつまんで概要を説明すると、援交女子高生を買ってハメ撮りビデオを撮り、販売していたというシリーズの一つである。作成者らは全員逮捕され、実刑が確定している。

 ……ということとはまるで関係がないが、時折アダルトなビデオで無修正で生ハメしてるのに「中には出さないで」みたいなことを言っていたり、容赦なく中に出したりするシーンを見ると疑問に思うわけである。「ちょっとまて、俺が第二図書室で読んだ本では我慢汁にも精子いるから生ハメなどご法度であって低用量ピルか基礎体温測ってないとできない行為だぞ、どういうことだ」となるわけである。そういう考察部門とちんこ部門は脳内でも別部署であるからオカズにするにはあまり支障がない、というのはここで述べておく。のちにまともな商業の無修正アダルトビデオでは女優さんがたいていピルを飲んでいるというのを知ったが、まぁまともじゃないビデオは察してくれよなという話であった。よかった。無知な女子高生を騙して生ハメしてもしっかり孕んでしまうんだ。嘘を書いた本が小学校にあったわけではなかったのだ。女子高生は自分の意思で入ってきた精子を拒絶できる能力があったりするわけではないのだ。

 つまるところ、学校の性教育には肝心なところが抜けているのだ。「セックスとは何か」「女性は自分の意思で受精する精子を選り好みできるわけではなく、チンコの段階で選別を終了しておかなければならない」「ゴムだけで避妊できてると思うな若造」「ましてや生ハメなどチビマリオで8面に挑むようなものである」とかそういうところを充実させてほしい。最後のは死ぬが、セックスでは1UPしてしまうぞ。

 あと、高齢出産は各種先天性/遺伝子障害の可能性がグンと上がるというのもどこかで習ったほうがいいように思う。別に男性は無意味に若い女が好きなわけではない。なるべくなら健康な子供が欲しいからである。

 考えれば考えるほど女子高生孕ませて結婚するのが最適解な気がしてくるが、そういうわけにはいかないのが世界である。当たり前だが女子高生はお勉強して仕事するために高校へ通っているわけであって意思を持たぬ子宮ではない。リスクが高くなるから若いうちに子供を産んでおきたいと心から考えている女子高生など見たことがないが、自分の狭い視野だけみてこういうことを言うのはよくないので「どっかにいるかもしれない」としておこう。

幼なじみ彼女と排卵日中出しラブH、してえなぁ。