新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

換気扇の話

 さっきまで趣味のオフ会でわいわいやってて、「これブログのネタになんべwwwww」と歓談したものの、人間メモを取らないと思い出すのに3日ほどかかるのが仕様である。ひとまず今日は表題の通り換気扇の話をする。

 
 皆様は換気扇をご存知だろうか。キッチン、トイレ、風呂場などについていて、扇風機のような形をしていて、電源が入っているときに空気の流れる方向は室内→室外である。これは、熱気・臭気・湿気を外へ流す風の流れを作るもの……ではない。当該空間の気圧を下げるための設備である。したがって、トイレや風呂等で換気扇もつけて窓も開けると換気扇の意味がない。上記のことを初めて知ったのは高校の化学教諭から薬品庫の扱いを教わった時で、二度目に復習したのは大学の講義「環境工学」であった。環境工学とは、建物内の空気の流れ・空調設備の設計・ひさしの長さの計算などなど、室内環境を快適にするための工学であって、地球環境問題に取り組むものではない。無論、空調を最適化すると人間が快適に過ごすためのエアコンやらなんやらの無駄な部分が減るので地球環境に全く影響がないとは言えないが、本筋ではない。
 
 換気扇は(キッチン用のものを強運転するとそうでもないが)風の流れを扇風機ほど感じられない弱いものであるが、正しく、設置された小部屋のドア・窓をすべて締め切って使うと威力を発揮する……ように換気扇の流量を設計して取り付けるのだが、適当に付けてるケースもある。適当につけると換気扇が強すぎてドアが開きにくくなったり、風の鳴く音が不快なほどになったりする。
 
 また、換気方式にはもっと種類があり、換気扇のように室内→室外で空気を流し「室内の気圧を下げる」、部屋の中の熱気臭気湿気を外にどんどん排出し、ドアや窓の隙間から新鮮空気を取り入れるものの他に、室外→室内の向きにエアフィルタで濾した空気を流し、「室内の気圧を上げ」て、室外からチリやホコリの侵入を防ぐクリーンルームの方式、また、この両方のメカを取り付けて強制的に空気を入れ替え続ける方式がある。一般家庭では換気扇ぐらいしかないが、とにかく「設置された空間、トイレ、風呂、キッチン等は窓やドアを締め切って小さくするのが鉄則である。トイレの窓を開けると、風の強い日など、トイレの臭気がリビングへ逆流して悲惨なこととなる。
 
 そうなると気になるのがラブホテルの換気方式である。1時間〜3時間で客室がひと回転するのは良いにして、部屋に残ったラブ臭の排出はどのように行われるのだろうか。壁紙もにおいが付かないようなサンゲツの機能性壁紙とか使っているのだろうか。風呂も布で拭いて綺麗にするとはいえ換気装置は立派なものではないのか……などなど、「ラブホテルの環境工学」という本が1冊書けそうだ。協力していただけるラブホテル経営者のかたがおられたら、ぜひやりたい。条例で新築ができないとか、そういう設備面での縛りを超えて、21世紀水準の客室を維持管理するための良き教科書となるであろう。
 
 鉄道模型のレイアウトに東横インは置けてもラブホは置けねぇなぁ……。