新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

エアハブ

 趣味といえるかどうかは微妙なのですが、ママチャリの細かいところに手を入れることが時々あります。主にライト周りなのですが、昔は普通のブロックダイナモの電球部分をφ5の白色LED5発に置き換えてみたり、コリメータレンズのついた1 Wハイパワー白色LEDに置き換えてみたり、その後はマジ軽ロボというのを付けてみたりして、今ではMARUZENのMagBoyというブロックダイナモに戻ってきましたので、なんだかんだ言ってポン付け出来る便利な製品はいいなぁと思うのです。

 

www.magnix.co.jp

 

 そんなにライトにこだわるならハブダイナモにすればええやん、と思われるかもしれないですし、実際したいのはやまやまなのですが、車軸には既にエアハブという空気入れが鎮座しておりまして、ホイール組み替えてまでハブダイナモが欲しいとは思わないのです。

エアハブ|株式会社 中野鉄工所

 

 10年前はブリジストンエアハブ搭載の自転車を売っていたのですが、現在はカタログ落ちしていて、エアハブを標準搭載した自転車は一部の販売店で扱われるのみとなってしまいました。もちろん、中野鉄工所からエアハブの付いたホイールを取り寄せて、新しい自転車を買うときに気のいいオヤジがやってるような自転車屋で頼めば工賃でやってくれるとは思いますが、そこまでしてエアハブつけてぇかなぁ?と思うと少々大変なように思います。

 

 かつてのエアハブは「普通のママチャリ用なのに米式バルブでしかもネジ部分がミリネジ」という専用のタイヤチューブにしか対応しておらず、チューブ劣化の際に往生したのですが、今では英式バルブ用のアダブタが出ましたので、そのような心配も要らなくなったのですが、いかんせんタイヤの空気圧ってのは気にしない人が多いようで、オートライトのハブダイナモと、メンテナンスフリーの内装三段変速機に前後の車軸を奪われているのが実情なようです。中野鉄工所でも今では「エアハブ付きハブダイナモ」「エアハブ付き内装三段変速機」を出しているので、両立は可能でしょうけれど、自転車の、ママチャリ用のホイールをいくつも持つのも変ですし(ロードとかクロスとかそういう自転車はまた別でしょうけれども)、かといって自転車を買い換える際に、ただでさえ良い(≒高い)自転車を、ホイール組み換えの出来るオヤジのいる店で注文し、中野鉄工所のハブに取り替えてくれと頼む……。なかなかハードルが高い、というかママチャリオタクでもないとそういう買い方をしませんよね。難しい。

 

 日本の技術力はスゴイんだ、なんていう陳腐なことは言いませんが、優れたメーカーの優れた製品が知名度やら販路やらの弱さで世に遍く行き渡らないのは少々残念に思います。エアハブが世に行き渡っても私の懐には一銭も入りませんが、ぜひとも10台に1台くらいはエアハブついてる自転車が増えると、駐輪場での自転車観察が楽しくなる気がします。たぶん。

 

 これまで自分の以外でエアハブがついてるのは2台しか見たことがない。