新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

筆算の掛け算割り算

 皆様は筆算の掛け算割り算が出来るだろうか。「バカにするんじゃねえ!」とお怒りの方も多いかもしれない。しかし、人間というのは使わないと忘れる生き物なのだ。実際に夏休みに入って20日ほど郷里で勉強せずに過ごしていたら筆算が数字の羅列にしか見えなくなってどれとどれを九九で処理したらいいのか分からなくなった小学生がいた。私だ。郷里での帰省生活ものこりわずかとなりしぶしぶ宿題に手を付けて言うわけよ。「これ(筆算)、どことどこを掛けるんだっけ」と。祖母激怒である。「あんたこの子筆算もできよらへんでないんなどーすんなもう困るんで!!!」怒られるのは私ではなく母であった。

 

 とまあしばらくやらないと基本事項も脳みそから途中下車するのが人間という生き物である。たとえば飛行機の乗り方。年イチぐらいで乗っておかないとうっかり筆箱にハサミいれたまんま保安検査場に行く。たとえば女の落とし方。小学校3年生以後女を落としたことがないとどうやってバレンタインデーにギブミーチョコレートするのかすら思い出せない。あの頃は多少頭が良くて優しければ良かった気がする。技術者は勉強をやめた瞬間に無能となるらしいが、実生活でも勉強をやめるとギブミーチョコレートのまま成人してしまう。恋愛観がギブミーチョコレートのままでチンコに突き動かされると悲惨である。


 高校の頃、とある先輩と帰り道で恋愛の話になり、「風邪の看病とか憧れます」みたいなことを言ったら「それは高校生の恋愛観ではない」と真顔で言われたのを思い出した。当時すでに恋愛学の単位は落として留年が確定しており、エロゲーで勝手に補講を受けるとあさっての方向に思考が発達するという典型例であった。中出ししても大丈夫な義理の妹が欲しいなぁと言っていたタイプの手遅れは筑波大学へ行った。

 

 高校生の頃に業務用コンドームを売りさばこうとして失敗した話はしたが、結局売るのを諦めて事業精算ということで、顔見知りにコンドームを配って歩いた。そんなある日、「おまえの配った"業務用"でセフレを作った奴が居る」と報告を受けた。なんでも、下級生にどストレートに「なあ、セフレになろうや」とか言って承諾された同級生が居るというのだ。私は3日ほど寝込んだ。タダでコンドームを配るだけの男、タダでコンドームをゲットして下級生をセフレにする男。どうしてこうなったのか。慢心。環境の違い。

 

 恋愛資本主義経済では女性に選ばれないこと即産廃でありカルシウム配合の指定ゴミ袋にプライドと数万円を入れてソープランドへ行くと本質以外の体験はできる。別に恋愛の本質でないセックスだけなら飛田新地で2万でお釣りが来るらしい。あたしゃその2万円が惜しくて料亭に吸い込まれていった同期を見送って、ドン引きしている別の同期に「さ、かえろっか」と声をかけて電車乗って帰るのだ。なにせ、2万円あれば回転寿司に5-6回行けるからな。

 

 労働の果てにあるのは飲み会よりおっぱいであって欲しい。