新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

みなさまの足

 先日は神戸へ行った。ひとしきり歓談した後、三連休の後半を過ごす東京を目指すべく夜行バスに乗り継いだ。ところが神戸から出る直行の夜行バスは売り切れていたので、大阪の南の方から難波を通って行く南海の夜行バスを取った。サザンクロス号というらしい。南海だからサザンというわけだ。神戸から難波、乗換案内だと「JRの新快速電車から御堂筋線に乗り換えるのが一番速いよ」と出るが、混んでるし高いのでみなさまの足阪神電車を使おう。みさのなま足ではない。みさって誰だ。デスノートに出てくるあいつか。

 

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みなさまの足 阪神電車

 

 昼間であれば三宮から奈良行きの快速急行だかなんだか速いやつが出ているのでそれに乗ればいいが、夜になると梅田行きの特急と急行しか来ない。そこで尼崎での乗り換えが必要になる。私は旅人である。荷物が多い。できることなら階段の登り降りは勘弁願いたいなぁと考えているうちに尼崎へ到着である。到着の案内を聞く。

「……なんば方面奈良行きは隣の各駅停車を通り抜けて向こうの電車にお乗り換え……」

 

 え?今なんと?そして理解が追いつかぬまま電車は尼崎駅へ滑り込む。ドアが開く。同じホームの向かい側には両側の扉を全部開いたジェットカーが止まっていた。つまるところ、図解するとこうだ。

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 ははぁこうすると列車3本相互の乗り換えが階段ナシで可能なのか。地元でも端岡という駅で似たような乗り換えができたのだけれど、結局根付かなかった。

 

 その後難波から生まれて初めて夜行バスで上京することとなる。南海なんば駅の5階って表示は正しいんだけど罠だろう。

 

 

 阪神電車近鉄難波の駅について南海電車へ乗り換える道をゆく。なぜならこれから乗る夜行バスは「南海なんば駅5階」にあるバスのりばから出るからだ。中学一年の頃からウロウロして勝手知ったる難波の地下を我が物顔で歩く。地味に遠い。近鉄難波ってこんなに北の方にあったかしらん。千日前線の改札を横目に、御堂筋線の駅をタテにズバンと歩き通し、いくつかエスカレーターを乗り継いでパルテノン階段みたいなエスカレーターを上って南海なんば駅3F改札へ。高速バスの乗り場はエスカレーターから改札に向かって右、と。はて、どこに入ればいいのだろう。矢印の方向にはホテルの入口しかない……。

 

 実はこれが罠で、ホテルの入口に入るのが正しい(!)。貧乏人(失礼)の乗り物高速バスにいまから乗ろうとする汗だくルンペンスタイルの旅人が高そうな私鉄ターミナル駅併設のホテルに入っていく。すると再び高速バス乗り場の案内が登場するという罠であった。ちなみに高速バス乗り場自体はこのホテルのエントランス、つまるところいわゆる"車寄せ"であった。高級車が乗り付けるであろう車寄せも不景気のせいで高級は高級でも箱型数十人乗りで二種免許が要るタイプの高級車を呼ぶようになったというわけだ。

 

 宝くじ売り場に待合室をくっつけたようなきっぷうりばと自販機とトイレしかなかった。しくじった。ここには売店があって空気ふくらませるタイプの枕とか買えないのだ。事前にロフトとかダイソーとかで用意しような。

 

 その後に乗ったバスで次の停留所、湊町バスターミナル(OCAT)のほうが明らかに夜行バスがボコボコ発着していて活気づいていた。乗る停留所をミスったらしい。

 

 人生何事もやってみないと分からないよねってそのうち続きを書く。