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新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

クーリングオフ

体験記

 私は割と不義に鉄槌を下すのが三度の飯より大好きなので、かつてもバイナリーオプション業者からカネを返させたことがあるのは読者諸賢にとっては常識だよね。


 
 笹松行動哲学その72「被害者も強いし消費者はもっと強いから消費者で被害者は最強」というのがある。今日は下した鉄槌の中からクーリングオフの経験について語ることとする。
 
 学生街のボロアパートで一人暮らししているとエホバ・国営放送と並んで蛇蝎のごとく嫌われているのが新聞拡張団であるのは多少人生経験があればご同意いただけるだろう。新聞拡張団というのは一般的な「新聞勧誘をする人が所属する組織」であるとお考えいただきたい。街の新聞販売店とは別の組織だ。
 
 街の新聞販売店では、早起きが得意な人が真面目に日々コツコツと働いている。しかし、新聞拡張団は明日のゼニにも困るようになってしまった人たちが契約ひとくちおいくら、という形で生計を立てている。この両者、似ても似つかないのであるが、新聞販売店は新聞拡張団から「契約済みの契約書」を買い取っているのである。つまり、真面目にコツコツ働いている人間の増収増益のために明日の生計も立たない自堕落な人間を束ねた組織へお金が流れるのである。
 
 
 そんなことを知って千葉の国で一人暮らしをしていた私は毎度適当に拡張団を追い返していた。そんなある日、えらく癪に障る言動の拡張団員が来たので、こいつの契約書をテンプラにしてやろうと思った。テンプラ、というのは無効な契約書のことで、住所や名前が虚偽であったり、集金に訪れると引っ越していたり、とにかく後々ペナルティとして拡張団から販売店にお金を返さねばならない契約書のことである。
 
 新聞の訪問契約というのは立派なクーリングオフ制度の適用範囲であるから、クーリングオフされた場合も契約書はテンプラになる。気に食わない拡張団員にイヤガラセをするならテンプラ、これが基本である。彼らは歩合給であるから、契約書10枚で特別ボーナス、などと姑息な団の方針に縛られている。そして浅はかなのでテンプラが出るとは夢にも思っておらず、特別ボーナスぎりぎりの契約書を持って帰って換金する。そこで時間差でクーリングオフするのだ。特別ボーナス取り消しの違約金支払いで自堕落な人たちは死ぬのじゃ。
 
 
 そうして封書で無事にクーリングオフをし、洗剤やらゴミ袋やらのうっかり受け取ってしまった「拡材」を販売店に返却し、無事にゴミ売り新聞の契約を取り消すことができた。
 
 
 のちのちこの話を学科でしたところ、同級生も同時期に契約してしまったそうで、私は迷わずクーリングオフ体験をしておくことをオススメした。
 
 
 すべての不義に鉄槌を。