新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

オーブンレンジ

 昨日の記事を書いたところ、「オーブンレンジがあるのは羨ましい」という声が聞こえた。

sasamatsu.hatenablog.com

 

 我が家のオーブンレンジは大学入学と同時に一人暮らしを始める際に買ってもらったものだが、別に自炊をするつもりがはなからあって購入したわけではない。今日はそのあたりのお話をする。

 

 なんせ当初は大学に入ったらボロの大学寮に入って、とっとと彼女を作って彼女の家に入り浸り半同棲するつもりで居たのだ。当然、家電家具にこだわりなどない。なんせもとより使うつもりがないのだから。したがって、ケーズデンキで新生活家電セットの下から2番目のやつを買ってもらうことにした。一番下ってほらハイアールとかじゃん。当時はまだ三洋も元気してたし、まさかちゃんと三洋の海外工場を引き取って技術者と工場のおっちゃんおばちゃんらをちゃんと食わせるようないい会社だとは知らなかったわけだ。今だったらハイアールのセット買ってるかもわからん。

 

 セットになっていたのはSHARPの2ドア冷蔵庫、パナソニックの4.5 kg洗濯機、メーカー失念の電子レンジ(ヘルツフリーではない!)、これもまたメーカー失念の充電式掃除機、三洋の三合炊き炊飯器、あと1.2 Lのティファールと節電タップ。当時2011年でもヘルツフリーじゃない電子レンジなんて販売されているのかと若干我が目を疑ったが、別に良い。当時は首都圏を離れるつもりはなく、4年後に岡山の山奥で寂しい暮らしをしているなんて想像の域を超えているわけだから50 Hz専用の電子レンジでも何ら困らないだろうと考えた。

 

 ところがね、2011年の春、それも国立大学後期の入試が終わった後というのは例の震災後なわけだ。そして私の当時の住まいは香川県。言うまでもなく60 Hzエリアである。あの愛知県豊橋市ですら60 Hzであって熱海ぐらいまでしか50 Hzじゃない。そこにあるケーズデンキに50 Hz用の電子レンジは在庫がなかった。そして東日本のケーズデンキの在庫状況を確認できるほど当時はまだ落ち着いていなかった。本来は新生活家電セットの内容を、差額を払って家電をグレードアップすることは出来ないそうだが、在庫なしではしかたがないため、電子レンジはヘルツフリーのオーブンレンジに格上げされ、充電式掃除機はスティック型でも充電式でもない一般的な紙パック掃除機に変更された。電子レンジとオーブンレンジの差額は5-6千円だったように記憶している。

 

 

 で、昨日ようやっとオーブンレンジのオーブン機能を初めて使った。宝の持ち腐れとはまさにこのことである。別に自宅に世話焼きの女の子が転がり込んできて何かをオーブンレンジで作ってくれたわけではなく、電車汽車仲間の男子大学院生に教えてもらったレシピを試すためにオーブン初稼働というわけだ。ありがとうパナソニック。悠久の時を得てまたひとつ機能を使うことになった。ローカル三セクに納入された気動車がJRの幹線に乗り入れするようになって直結段を使うようになった、そんな感じだろうか(多分違う)。

 

 

 で、千葉での4年間において家に転がり込んで甘えまくっても大丈夫な彼女はできたのかって?……できたら今頃膣内射精キチガイな芸風にはなっちゃいないんだよなあ(反語)。