新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

幸福行き

 幸福駅といえば北海道の廃線・旧広尾線にあった駅である。愛国という駅もあり、「愛の国から幸福へ」ということで、愛国から幸福行きの乗車券は縁起物として喜ばれたそうな。

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 KOTOKOの「Leaf ticket」という唄がある。諸般の事情で歌詞は書かないが、愛国からではないにせよ幸福行きのチケットが登場する。公園通りという国鉄自動車線の駅が存在すれば乗車券が発行出来たかもしれない。

 

 広尾線帯広駅から広尾駅までを結んでいた。沿線にはおそらく日本で一番有名な農園がある。とある漫画家の実家でありその作品のモデルとして、というよりノンフィクションマンガの題材としてその農場は登場する。荒川農園(仮称)っていうんだけれども。

 

 閑話休題。幸福行きのチケットを売ってくれる窓口があった時代は終わったのだ。ダブルミーニングである。「幸福行きくれ」っつったら出札窓口からスっときっぷは出てこなくなったし、この多様化社会の中、何が人々の幸福であるのかはオーダーメイドに近くなった。東京から新幹線に乗り、数時間後に降り、適当なローカル線を3本も乗り継げば東京から乗った列車に居た人間はいなくなる。誰もが目指す場所が違う時代、幸福行きの切符をくださいと言われて常備してある印刷済みのきっぷをハイどうぞと差し出してオシマイというわけにはいかない。

 

 北海道旅行してえな人の金で。