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新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

#C91感想 『アラサーオタク女子生存戦略』(町田メガネ)

 結婚とは何なのだろう。ある場面では「ゴール」とされる。また別の場面では「墓場」とも形容される。なにせ、結婚することを「ゴールイン」と言い換える場合すらある。まるで人生の終着点のひとつではないか。眠ったまま終着につくと、そのまま折り返す場合を除いて駅員さんに起こされる。お客さん、終点ですよ、電車が車庫に入っちゃいますよというわけだ。ところが、終着点についたとて人間は駅で暮らすわけではなく、改札を抜けて街を歩くわけである。そう、別にゴールがゴールではないのだ。何もゴールした瞬間に人生が自動運転モードに入ったりはしない。時間は連続である。けして、どのような出来事も、終着点とはなりえない。単なる途中駅だ。特段トラブルがない場合、列車人生号は、各駅でドアを素早く開け閉め、次の駅へ向かって進み始める。

 

 そんなわけで今日はサークル「町田メガネ」のコミケット91新刊『アラサーオタク女子生存戦略』の感想を書いてみようと思う。

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 以下ネタバレ含有につき改行。

 

 

 

 

 

 

 冒頭に結婚がどうのと書いたが、本書においては、結婚は手段の一つとして扱われている。タイトルに結婚が含まれないのはそのためだ。ただし、日本国にて日本人として生きる以上納税の義務があり、配偶者特別控除を始めとした種々の税制優遇措置を履行させて頂く等、手段としての結婚が扱われている。けしてこの本は結婚をゴールとして扱ってはいない。数あるライフハック手段の一つとして掲載されている。

 

 アラサー、というと日本語に直して「四捨五入で30歳」という解釈でいいだろう。従って「人生25歳と1日、クリスマスケーキ理論でもギリギリセーフ」という人もアラサーであるし、「34歳最期の日、とうとう明日からアラフォー突入」という人もアラサーということになる。では、私の、あくまで個人的な、20代低所得男性として、意見を述べよう。クリスマスケーキ理論は自分の中にもある。認めざるをえない。自分の遺伝子を持つ子を残したい。母体年齢の上昇とともに高くなる染色体異常の割合。そう考えたときに「30代はないなw」と考える。何が晩婚化だ。何が「クリスマスケーキ理論はもう古い、時代は年越しそば理論」だ。若いほうが良いに決まっている。性格の不一致で離婚することになろうが、養育費をむしり取られようが、とりあえずは遺伝子を引く健康な子供が残せた時点で勝ち組である。若くてきれいな奥さんがどうのというのは付帯事項でしかない。不妊治療だ冷凍卵子だと、個人家計レベルで天文学的な金額をかけて生まれた子供は染色体異常でした、など想像したくもない。これが若い女と結婚していれば「次」が考えられるわけでさほど悲観することはない。なにせ、遺伝子が途絶えることを危惧しているのだから、健康な子供が、できれば複数、残せるか否かを最重要事項と考える。

 

 という上記のような子宮至上主義は一旦横に置く。矛盾するようだが、生活を続けるとなると大事なのは子宮ではなく生活スキルと穏やかな性格である。行政手続やら住宅ローンやらの知識があり、料理も過不足なくでき、洗濯物が畳めて、夫のあれこれに小言を言わない、いわゆる「男を立てる」タイプの女とならストレスを溜めることなく生活ができる、これもまたひとつの事実であろう。それでいてカネが稼げれば言うことはないが、外で働いてお金を稼ぐということは得てしてストレス源となりうる。その結果、穏やかな性格が脅かされ、仕事のストレスで常に家でもイライラしているタイプの女と結婚すると家に帰りたくはなくなるだろう。

 

 上記2点、新鮮な子宮と穏やかな性格、これを両立できる最後のチャンスがアラサーということになろう。

 

 結婚は綺麗事ではなく、カネの問題、子供の問題、そしてセックスの問題も立ちはだかる。セックスの相性という大きな問題だ。かつてお見合い結婚が主流だった頃は「女性の性欲」というものが認められていなかったように思う。女性の性欲は認められず、だからこそ男性様のほうに性病を感染させてはいけないと、貞操が重んじられていた、と考える。では翻って21世紀、性病は検査も簡単にできるようになり、完治方法がまだ見つかっていないHIVを除けば概ね治療ができるようになった。このような現代で貞操を重んじる自然科学的理由はなんであろうか。特に無いのではなかろうか。社会科学的にはなにかしらあるかもしれないし、個人的に昔の男の話をされるのは(とりわけ裸でベッドを共にしている女にされるのは)好きではないが、単に私のケツの穴が小さいだけであろう。処女は痛がって面倒なだけであって、だったらばすぐに濡れてお股パカーの膣内射精OK女を味見して相性OKだったら結婚を考えてみても良いのではないか。どうせ燃え尽きる最後のろうそく、閉経間近の女の性欲が恐ろしいほど強いのはセックスレス相談サイトを覗けば分かることである。

 

 とまあここまで自分の立場で、まるで女を選ぶ立場のように書いては来たが、いつのまにやら自分もアラサー低所得男という括りに入り、結婚同調圧力というか、お一人様だと"どこか"で人生万策尽きるぞという得も言われぬ不安と戦う立場になってしまった。なにより、生物学的に喉から手が出るほど欲しがられるアイテムであり最終兵器、"子宮"を持たぬ性であることを痛感する。毎日大量生産され続け、子宮のように10ヶ月使えませんとならない精子は「お好きなものをお選びください」と下手に出ないといけない立場なのだ。そら、10ヶ月単位で専有される子宮を持っていると、他の部分が多分に難ありであろうとも相手には不自由しないだろう。

 

 標準偏差の外れ値みたいなところで生きるオタク女子/オタク男子が一般的な"枠"にはまることの難しさ、というのを本書は明らかにし、そして、標準偏差に納まった振る舞いをすることで得られるメリットはいかがでしょうか、と提案する大変有意な書物であった。

 

 とはいえ性格のフイッチーズで爆裂四散して養育費と慰謝料払いたくねえし焦って合わない相手と結婚したくねえなあ。

 

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 という文章を20時間ぐらい前に泡盛やりながら書いたわけですがキマってんなあと思いつつ。感想ってなんだっけ、とか、私ですらここまで世に、女に対して不満があるのかと驚くばかり。社交的な外面だけ整えるのは簡単でも内面まで綺麗かって言うとなかなか難しいですよね。自分ですらこうなのだから、況や他人をや。相手の抱えているあれこれを許容できるのか否か、高度成長でそれらをねじ伏せられた時代は遠くなりにけり。さて、明日からどうやって生きましょうか。30年前の道路地図は役に立たないから捨てるとして。

 

 おっぱい大きくて高齢出産にならなくて甘やかしてくれて金銭感覚イカれてなくて浮気しない女くれ。