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新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

蓋然性で語れ

日記

 蓋然性、という言葉を日常的に使うだろうか。この単語自体を知らずとも、我々はおおよそ一般的に蓋然性をある程度意識して行動しているはずだ。例えば天気予報。「降水確率は50%だけどこの晴れ方なら雨は降らないだろう」というのも、無意識のうちにそれまでの人生経験から導き出した勘のようななにかによって、降水確率の数字と現況の天候を視認した上で「傘は不要」と結論づけているのだ。このように、ある事柄が起こる確実性や、ある事柄が真実として認められる確実性の度合いを蓋然性と言う。数値化すると確率となるが、「肌感覚」や「勘」といった定性的な言葉で語られることも多い。
 
 「肌感覚」や「勘」とかいうと、大変文学的表現であって、理数系の人々に嫌われるかと勘ぐってしまうが、けしてそんなことはない。そりゃあ、理屈から説明しろと言われたら、専門でもない限りは即答しかねるが、たとえば「太陽が西から昇るか」という問に対して「ありえない」と答えるのは簡単だろう。「なぜ」まで言われると、私の場合は専門外であるから、「いま現在地球は自転しており、それは地球儀を回しているのと同じで、運動エネルギーを持っているから、仮に明日から太陽の昇る方角を逆にしようと自転にブレーキをかけて逆方向へ回すというのは、核かなにかを使っても無理な話であるから、少なくとも我々人類が生きているむこう100年くらいは太陽が西から昇ることはなさそう(適当)」と答えるしかないが、とはいえその程度には「太陽が西から昇らない100の理由」を挙げることはできる。同様にして、「30分後に美少女が突然我が家に訪ねてきてエロゲ的展開にならない100の理由」だとか、「明日中出しセックスできない100の理由」だとかいくらでも理由をつけて論じることができよう。

 

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 そこでこれらの本を紹介することになる。1冊目は日本評論社の「高校で教わりたかった化学」だ。高校の化学が暗記モノ扱いされ、電気分解で大嘘をつき、というところから始まり、「リットル」をイタリック体で書くなバカチン、物理量と単位の間に一文字分スペースを開けろ、電子軌道を教えろ、分子模型の豆細工をやめろ……などなど、高校化学のあれこれに(主に東京)大学の立場からツッコミを入れていく本である。演習問題も少々あるので紙と鉛筆を用意してから開くとスムーズだ。
 もう1冊も同じく日本評論社から、「高校で教わりたかった物理」だ。こちらは化学よりも苦手とする人が多そうな科目であるぶん、広く科学一般にまつわる事項から入り、物理学のセンスを解き明かしていく本である。「高校で教わりたかった化学」よりもっと数式が少なく、科学の読み物としてもおすすめできる。こちらは紙と鉛筆を用意せずとも読み進められる(当然、用意しても構わない)

 この2冊を読むと確かに科学一般の素養は広まったように思う。事実、「化学」の方は高校化学オリンピックの予選である化学グランプリに向けての教科書として広く使われているようだ。

 お勉強した内容というのは気楽な財産である。鍵をかけておかなくても盗めないからだ。こうして適当にジャンル問わず本から吸収した知識と広げた見聞で人は豊かに生きることになる。たとえば、胃酸の話だ。胃酸は主成分が塩酸であって、それもかなり強い。場合によっては「胃が荒れる」こともあるほどだ。しかして、その胃酸の強さが人を雑菌から守っているのである。塩酸の電離した”酸”の部分、高校化学だとH+と書かれたり水素イオンと言われたりするが、実際水溶液中ではオキソニウムイオンH3O+として存在する、こいつがあらゆる物体の構造をぷちぷちと切断して無害化する。とはいえ胃酸でも駄目なものは駄目で、例えばO-157、こいつは酸に強いので胃酸を素通りして腸へ到達して悪さをはたらく。菌ではないがノロウイルスも酸に強く、こいつも手洗いうがいで喉粘膜から洗い流したとしても、感染源となる物体が胃に落ちていると時すでに遅し、あとは発症を待つばかりとなる。……というように胃酸でも駄目なやつらは例外として、例えばHIV、こいつの構造は非常に弱いため、胃酸でバラバラになるから、口に精液を出された場合はとっとと飲み込んで水なり酒なりで口と喉を洗い流してしまえば感染の可能性は格段に低くなる。同様に、性風俗店で洗っていないペニスを口で奉仕する行為、いわゆる即尺においても、「洗っていない」のレベルはさておき、最後に精液を飲もうが捨ててうがいしようが、胃酸でどうせ雑菌類はバラバラになるのだから気を揉むことはない。逆に我々男がシャワーを浴びる前におまんこにむしゃぶりつこうがアナルをなめようが、頭上から「そんなところ汚いからやめなさい」と叱られてもどうせ胃酸で大したことはないのだからそれぐらいでやめる道理はない。当然、ひととおり舐めて気が済んだら何か飲み物を飲むかうがいをするのもお忘れなく。逆パターンされたらヤでしょ、即尺口内射精ゴックンされたその足で(口だが)キスされたい?分かったら洗面台へ行ってらっしゃい。なお蛇足ながら、当然「最近生ワクチンの摂取を受けたばかりだからポリオにかかるよ」などという具体的な理由でアナルにむしゃぶりつくことを禁じられたら従ったほうがよろしい。予防接種を受けた人間からの二次感染でポリオを発症すると、早晩保健所に報告されて、夕方のNHKニュースで大きく報じられることとなる。


 千葉大*1ですらおまんこを舐める時は上記のような自分なりの理屈を立てて「命にかかわらない」と判断してやっているわけで、当然東大出とか京大出だったらばもっと難しい理屈をたててクンニリングスに臨むわけであろうから、高学歴とのセックスはおまんこがキュンキュンしちゃう♡というヨタ話も、あながち100%嘘と断言できないなあ……と思う今日この頃。公衆の面前で服を脱いだりしないわけですから、服を脱いでからベッドインするのか、脱いだ服は畳むのか、そもそもセックスは風呂の後なのか、シャワーしてセックスして風呂入るのか……といった、「描かれるセックスで描かれない領域」こそが愛おしいわけで、そうすると高学歴で膣キュンというのもけしてこれまで描かれなかった話だと感心する限りである。

 

 なお、このように手の内(頭の内?)を綺麗さっぱり開示していくと今日明日はセックスにありつけないまま死んでいくのだろうとたいへん悲しくなってきたのでそろそろ筆を置く。

 単に経験人数がどうこうというつまらない領域に留まらず、描かれない部分の集計が楽しくてナンパしたりワンナイトで持ち帰られたりするような人と仲良くなれる気がする。気がするだけ。

 

 

 リア充はディープキスしながらクリトリス攻めて突如すごく申し訳なさそうな顔で「ごめん……豆……取れちゃった……」と節分の豆を見せてかわいい彼女の機嫌を損ねろ。

*1:まるで千葉大卒が全員こんな雑理論で生活していると判断されては主に後輩から怒られてしまうのでそういうわけじゃないよと弁明しておく。