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新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

危険なチョコレート

 よくこの時期になると「血や唾液を混ぜた」手作りチョコレートにまつわる怖い話が流れて参ります。果たして本当にそのようなことをする人が居るのでしょうか。マトモな(独断と偏見)衛生観念を持った人間なら「カップ麺の汁は流しが詰まるので大便器に捨ててください」という張り紙にすら言葉にしづらい嫌悪感を抱くというのに。とはいえ、先日のエントリから分かるように、少々雑菌の多い食べ物を食べたとて、大半の菌どもは胃酸で溶けてなくなり、しぶといやつらも腸内フローラの乳酸菌どもにボコボコにされて大した影響はないのです。したがって、「血や唾液やそれに準ずる如何ともしがたい体液類」が入ったチョコレートを齧ったところで直ちに問題はないと思われます。でもやるなよ。

 

 そもそも、バレンタインデーのチョコレートというのは過剰なまでの包装がなされており、渡した相手が食べてくれるシーンを現認することがあまりないように思うのですがいかがでしょうか。うるせえぞ、既に同居していて一緒に食べるような幸せ者はバイパス走行中にエンジンブローするとか突然車両火災起こすとかすればいいんだ。……とにかく、「何かしらの体液」を混ぜたチョコレートを「食べているところ」を見ないと混ぜた側としても感想やらなんやらをその場で頂戴することができずに要求が満たされないような感じがしますが如何でしょうか。

 

 そこでオススメなのがバイアグラ入りチョコです。薬事法違反待ったなし。バイアグラ入りチョコのお返しは排卵誘発剤入りクッキーかなにかでしょう。目には目を。歯には歯を。薬事法違反には薬事法違反を。仲良く裁判所でオフ会でもしていろ。まだバイアグラとかだったらば良いけれど、飲んだら生命保険に入れなくなるタイプのやつが一服盛られていたらのちのち問題になりそうだ。ウェヒヒヒヒ。ヤのつく自由業の方々が美人を使ってご禁制品のおクスリを混ぜて顧客開拓を図ったりしてねえだろうなと考えていくと手料理全般が食べられなくなりそうだ。信用できるのは自分だけになってしまう。

 

 とはいえ加工食品なら安全か、と言われると、わけの分からないレベルの人間が冷凍食品に農薬をぶちまけてみていたり、わけの分からないパン工場で汗だくになりながら出荷したりしていますので、これまた食べるのは「知らぬが仏」という感じの結論になってまいりました。

 

 ところでクリスマスとかこういうような恋愛絡みの比重が重めの日になると「今日はあなたが一年間で誰かに愛されたかの通知表を渡される日です」みたいな言説が罷り通ってまいります。義理ですらチョコレートを貰えない人間は女性とまるで縁がないと見倣せるわけですから大変罪深い。製菓業界の販促である、なぜならば灼熱でチョコレートの持ち運びに向かない8月と丁度半年ズレているからだ、と分かっていても辛くなる。あの「チョコエッグに名前もシェアも奪われてしまった感じの卵型玩具入りチョコ菓子」も、暖かくなってくると自らの輪郭を保てなくなるため、売り場に「暑いからじゃあのwwww」というメッセージカードを残して消えていたのを思い出す。春は出会いと別れの季節、別れ間際にお返しまでもらえる2/14→3/14という絶妙な日付設定は日本全国津々浦々で数々のドラマを産んだことだろう。ドラマが勢い余って子供までデキちゃったりしてそれはそれで自己責任であって製菓業界に責はない。

 

 ガタガタぬかしましたけど板チョコ噛み砕いて口移ししてもらってそのまま膣内射精セックスするような奴らも居るんだろうなって思うと格差社会だなって思いませんか。

 

 チョコも人間も賞味期限内においしく頂きましょう。