新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

新静岡

 適材適所という言葉がある。たいへん贅沢な言葉だ。適材を適所に配置する余裕があるという意味を含むからだ。ところが現実は得てして適材を適所に配置できない。配置するのにコストが生じるからだ。つまるところクソであるが有限のリソースを消費して世界が回っている以上仕方のないことである。最適解という幸せの青い鳥を追い求めるより局所最適解で幸せになれたほうが安上がりである。

 

 民主主義とは愚民の歴史。このブログに目を通すような地頭偏差値65アンドアップな読者諸賢は想像し易いかもしれないが、雑なことを言うとこの世の半分は偏差値50以下である。そう、何らかの定量的評価を行った際に半分は半分以下なのである(当たり前だ)。AならばA、1+1=2と同じくらい当たり前のことだ。現に、少しでも視野の広い人ならば米国大統領がトランプとなってしまった原因も薄々感づいているのではなかろうか。勉強しかできないブスが女性の代表のように「女性の権利」を語り、リベラルが国粋主義をバカと切り捨て、どうも人間先鋭化すると分けずに居られなくなるようである。清濁併せ呑むということができない愚かしさを喧伝して回らなくてもいいものを。どうでもいいけど宇野首相って居たよね。ウノがなくてもトランプを代用してトランプウノという遊びはできるのだ。深い意味はない。トランプは比較的使いみちが多いよねというだけであって単なる言葉遊びである。

 

 阪急だったか、電車車内の吊り広告の許可を取ろうとしたのをやめさせたというエピソードがある。禁じられていないものに許可を取るから「(俺が責任取れないから)ダメ」と言われるのだという理屈である。この理屈は今日も世界に横たわる。セックスである。いちいちセックスの許可を取るだろうか。ホテルに誘ったり服を脱がすのにいちいち許諾を求めていたら、相手の女が自分に惚れていれば殴られて逆レイプされるだろうし、乗り気になっただけで好きじゃなければ殴られておしまいだろう。生セックスがダメな理由だって、性病検査してあれば良いというものでもなく根底には子供が出来てしまうと財産を失うから、というところだ。子供はリスク、という話を見聞きすることもあるが、リスクというよりコストという見方もできる。そらそうだ、二次大戦中のようにスペアパーツよろしくハイテクコンピュータ"脳"搭載のヒューマノイドとしていくらでも欲しかった時代はさておき、今日では大手外資系証券会社のディーラーすらAIに置き換えられたと風のうわさで聞く程度に自動化全盛であるから人は不要であまり気味なのだ。従って子供は割に合わない金額を投じて、万難を排してAIに置き換えられてしまわないようなエリートに仕立て上げないといけなくなった。そうなると地頭のよい遺伝子をかけ合わせて、湯水の如く教育費とやらを投じる必要が出てくる。そうでもしないとAIに仕事を奪われるからだ。自分が楽をしようと合理化策に励んだ結果、待っていたのは不労で暮らせる体制ではなく、AIを抱えた経営者の一人勝ちであって労働者諸君の敗北であった。野菜も工場で作られるようになり、人は豊かに暮らせるかと思いきや、振るわぬ貨幣流通量に翻弄されてしまった。コンピュータにAIを載せてラクをしようと思ったらいつの間にか自分で自分の首を絞めていたのである。大変滑稽だ。

 

 AIと合理化機械("工場のライン"のことだ)によって単純労働をする人間が必要なくなると、単純労働をして満足していた人間が余ることとなる。そこで登場するのが高い法人税と引き換えにお金を配るベーシックインカムというモデルである。合理化で働かなくていい人間が出てくるのだから、働かなくていい人間は呼吸だけしていてもらおうという施策のことだ。そして、誰も言い出さないが、ベーシックインカムで暮らす元単純労働者の遺伝子は残さずうまいこと滅びてもらわなければならない。ここがベーシックインカム導入の、一番の障壁だろう。なにせ、「あなた方は働かなくても良いけれど、子供をつくってはいけません」と宣告する必要があるからだ。……という思想がいわゆる優生学のことでして、20世紀半ばに一度廃れたものの、現状またムクムクとゲノム解析とセットで勃興しそうな考え方である。なにせナチス・ドイツが"やらかした"人権侵害は、今や鉤十字がタブーであるとされる程度にダメゼッタイ。人間に優劣をつけて断種したり安楽死させたりはダメのようでして。とはいえ、今の行き詰った世界で「倫理」とやらがいつまで大手を振っていられるかは疑問でして、戦争すらも戦略無人兵器が天下を分ける現在では、ぼちぼちDNA組み換え人間をたくさん用意した国が世界をモノにするのではないかと薄ら寒いものを感じざるを得ません。SFの読み過ぎか。いや、現状で遺伝子組換え完璧人間が出現しないのは、人間のそれぞれの個体が「自分の遺伝子を残したい」という大変利己的な考えを持っているからであって、反生殖主義のようなものが台頭し、完全無欠の遺伝子組み換え試験管ベビーが流行ったら、第三次大戦も近いんだろうなあ。

 

 というわけで、なんとも否定しがたいことに、ヒトゲノム解析がうまいこと進んでしまえば遺伝子組換え完璧人間を阻止するのは紙ペラより薄い倫理観と、利己的な皆様の「自分の遺伝子を残したい」という本能だけになってしまうことになりました。わあすごい。学校教育が現在ひたすら反生殖主義みたいな色合いをしているのは完全無欠の試験管ベビーを賛成多数で受け入れるためかと勘ぐってしまう。試験管で受精し、試験管で培養され、完全合成食品で育った完全無欠人間が世界を滅ぼす。やべえぞ。この流れは非常にまずい。もっと人肌の暖かさとかおっぱいのおいしさとか人に愛される喜びという教育をしないと試験管デザインベビーがツァーリ・ボンバで地球は中が赤い程度が美味しく頂けるとかほざく間もなくウェルダンだ。地球丸焼きになる前に静岡に急げ。さわやかはそこにある。

 

 静岡でハンバーグ食べてそのままラブホで膣内射精。