新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

戸籍をごまかす話

 皆様は官能小説とかお読みになられるでしょうか。私は好きです。特に青橋由高の「鬼江村シリーズ」、その中でも「トリプル押しかけ許嫁」は大好物です。タイトルの通り三重婚する話なんですが、毒舌系ヒロインのくららが可愛すぎます。ぜひ一度お読みください。損はさせません。

 で、シリーズの括りともなる舞台の「鬼江村」なのですが、九州の山奥にあり、戸籍をいくらでもちょろまかせるという設定なのです。だから三重婚なのです。ご都合主義です。だがそれがいい。本当に戸籍がちょろまかせたら夢が膨らみますね!重婚ですよ重婚。お嫁さんが複数。実に毎日がバラ色というか朝顔色というか、太陽が黄色く見えるというか……。こないだ遠くへ行ってしまわれたとあるお方には「2人以上の女を同時に愛するのは無理だ」とか言われましたけども、これまで1人も愛したことがないので愛は大量に抱えているから大丈夫と思われます。たぶん。

 実際、実家に帰って役場へ手続きしに行くと顔パスでして、更に田舎特有の「同じ苗字の職員が役場にいる」が発動することで印鑑を持参し忘れるぐらいならその職員が貸してくれて助かったりするのですが(あかん)、顔パスぐらいじゃ戸籍はごまかせないでしょうねぇ……。重婚というのかどうかは知りませんが、自由業のお父様が、愛人の産んだ娘さんを正妻に育てさせて自分は塀の中っていう例もありますし、世の中は思ったより複雑なんです。あなたの考えている世界というのは思ったより狭いのかもしれませんし、家族の形もさまざまであります。よくある例だと両親どっちか欠けてるとかがありますが、中には、幼い頃から虐待されていて、実家が近くにあるのに帰れず、貧乏なのに一人暮らしを選んでいる(強いられているわけではないが実家には頼りたくない)、だとか、両親が欠けているだけではなく、その欠けている父親/母親の役割を任されているうちに実の親と(鬼畜)な間柄になっているとか、自分の家族を見ているだけでは想像がつかないことも多くあるものです。だからこそ、困っている人間を見て安易に「実家に頼れ」とか「兄弟に頼れ」と言うのは避けていただければいいなぁと思います。誰しも、「満員電車で隣に立っているおじさまが娘と奥様を椅子に縛り付けて放置プレイしながら何食わぬ顔をしてスーツで通勤している」とは考えないと思いますが、アリエナイことではないのだということを、どうか、頭の片隅に置いておいていただければ、この救いのない世界も、少しばかり、暮らしやすくなります。

 だからこそ、身近なひとが「これこれこういう理由で辛いから助けて」と言ってきた場合、あなたは相当頼りになると思われたうえでのご相談ということになりますゆえ、どうか、真摯に対応してあげてほしいなぁと思うわけであります。


 スクール水着を女の子に着せてスケベしたすぎて辛い。