新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

コダワリ

 今日はコダワリの話です。ぶっちゃけ高校時代の現国の恩師、サンライズT氏の受け売りになりますがご容赦いただきたい。皆様はコダワリという言葉にどのようなイメージをお持ちでしょうか。「こだわりのシチュー」とか「こだわりのブレンド」とか言われるとなんとなくプレミアムな高級感が漂ってくる、そんな印象を持つ方もいるかと思います。しかしながら、コダワリを漢字で書くと「拘り」となり、「どーでもいいことに拘泥して本質がほったらかしになっている」感じの意味に取れるわけです。本質を見失うと迷走しがちですので、私達は目指すべき方向性を遠い目で眺めつつ前へ進まなければならないのです。

 

 あら終わっちゃった早すぎんだろということで話はどうでもいい方向に進むとしましょう。皆様は乾電池をご存知でしょうか。単1型から単5型までと単6電池が6本中でつながっていることになっている006P型やら、アルカリボタン電池、リチウムコイン電池、酸化銀電池、空気電池などなどありますが今回はオーソドックスな円筒形のものについて語ることとします。私、ケチではありますが乾電池には一家言ありまして、「ここぞという時はパナソニック」と決めております。なぜかって、安売りされていない(≒からたぶん高品質なんだろう)からです。……ウソです。日本製だからです。特に長期間入れっぱなしになるテレビやエアコンのリモコン、時計の類にはパナソニック製の高い乾電池を指名買いです。なんせ他所の安モン乾電池より数年経った時の液漏れが少ないですから。たぶん。そして、売り場でパッケージをよく観察して欲しいのですが、パナソニックの乾電池はシュリンクパックにおいてロゴの向きが揃っているのです!美しい!Panasonicのロゴがぜんぶ正面に来ているのです。乾電池の性能には全く関係のない「拘り」なのですが、やはり評価したくなります。

 

 ところが、売り場で異変に気づきます。黒いマンガン電池のPanasonicロゴ、これの向きがバラバラなのです。手にとって製造国表記を見るとMAID IN CHINAとなっています。なんと。もう大阪の守口でつくってへんのか。残念。しかし、まだ横に並んでいるアルカリ乾電池は日本製で、ロゴもぜんぶ正面に来ていました。国内生産は高いアルカリ乾電池(赤系)やEVOLTA(青系)だけになってしまったのですね。黒いマンガン電池も中国製になってはしまいましたが、私が小学生の頃のマンガン単1が2本で300円という定価から値上がりしているわけではないため、企業努力が伺えます。海外製造になっても、ロゴが正面を向いていなくても、品質の高い(値段も高い)パナソニックの電池という本質が変わっていなければそれで良いと思います。

 

 もちろん、私も財布事情が厳しい昨今ですので、なんでもかんでもPanasonicの電池を使うわけではありません。時には100円均一で電池を買います。それでも単3単4あたりは三菱ロゴの入ったものを選びますし、ダイソーと書いてある電池はたとえ本数が多くてもちょっと……。なんとなく気分が乗らへんのよ、察してくだされ。Panasonicの電池を使うところはここぞ!というところ。一度電池を入れたら数年間電池蓋をあけないようなところに使います。

 

 人生においてコダワリなんてのは縛りプレイの一種であってマゾ以外にはおすすめしかねるのですが、どういうわけだか縛りの多い人生を送る方が多いので、ぜひ一度「本質」とは何かを見つめてみてはいかがでしょうか。

 

 女子高生を10人いっぺんに妊娠させて無責任に死ぬのがいちばんコストパフォーマンス高い。