新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

軽やかなナンバーに乗せて

 私は、電子工作をラジオのキットではじめましたので、田舎のさびれた模型屋に置いてあるACEのラジオキット、それも21世紀になってから買ったのに円筒形のゲルマニウムトランジスタが入ってるようなやつを組んでAMラジオを聴き始めたのが最初でしょうか。当時はまだ自分専用のパソコンもなく、深夜帯までお勉強をするマジメな中学生でしたので、ニッポン放送をキー局に全国○局で放送中!みたいな下ネタ満載のラジオ放送がゴキゲンなBGMでした。田舎暮らしでしたので周波数は1242 kHzではなく1449 kHzでしたが、深夜帯の放送をそのまま聞けるわけですから細かいことは気にしない。AMラジオ放送というのはノイズに弱く、階下の冷蔵庫でコンプレッサが動き出すとジジッと雑音が乗ることもありましたし、時折ニコニコ動画などで削除対策(?)なのかわざと低温室になっている音楽に「AM音質」タグがつくなど、音質も良くはないのですが、深夜帯にもリアルタイムで起きてる人間がいて、リクエストのメールがどんどん届いていて、ああ、まだまだ寝ずに頑張れるなぁという一種の麻薬のような楽しさがありました。今でもか。今ではradikoあたりでクリアな放送をIPサイマルで聞けますから、スマホ時代バンザイ。通信制限には気をつけろ。家のWi-Fiを活用しような。

 さて、そんなラジオ放送でよく聞くのが「では○○の新曲から軽快なナンバーを」とか、「曲」のことを指して"ナンバー"という表現。ラジオ放送で独特のものかと思いますが、同じく深夜のクラブとかそういうところへ訪ねて行ったことがないもので、どうなのでしょう、他のところでも曲を指してナンバーと言う言葉を使うことがあるのでしょうか。軽く検索をかけても知恵袋とその亜種ばかりが引っかかり、一節には英語だとか、クラシック音楽が「交響曲第5番」のように数字で管理されているからその名残だとか、ジュークボックスでは曲に番号がついていたからそれの名残、だとか諸説あるようです。

 

 

 高校に入るとパソコンがあったりmp3プレイヤーがあったりして、自分で好みの音楽をぶちこんだブツを持ち歩けるようになりました。最初はCDtoWAV32(だっけな)とかいうソフトでCD-DAからwaveに変換し、そいつを午後のこ~だ~でmp3に圧縮しておりました。それからしばらくしてiTunesが音楽管理ソフトとしての頭角を表し、その後はiTunes Music Storeの開店、そして現在ではiTunes Music StoreDRMフリー化によりAndroidだろうがなんだろうが拡張子もそのままに転送すれば聞けるようになったのは皆様ご存知のとおりです。

 そうすると常に音楽を聞きながら電車に乗ったりお勉強したりするわけで、特徴的な曲やシチュエーションが数度あるとその曲を聞くたびに「ああこれは英語構文150の解答を一生懸命丸写ししていた時の感じだ」とか「これは中央道を爆走する家の車に乗っていた時の状況を思い出す」とかそういうデジャヴュに襲われるわけであります。だから私は安直にラブホで音楽を流すなと警句を並べるわけであります。ルパンダイブしたらベッドでスネ強打した時の音楽、とかそういうの増やしたくなければやめておきましょう。のちのち娘/息子を見るたびにこいつが着床した時の音楽を思い出すとか笑えるけど笑えませんぞ。

 

 昨今だとアニメ「凪のあすから」のオープニング/エンディングが上記のような感じで185系電車の車内を思い出す感じになりました。理由は簡単で、ムーンライトながら号で眠れずdアニメストアにて凪あすを一気見していたからです。ムーンライトながら号の6時間ちょいというのはアニメ1クールを一気観するのにちょうどいい。往復で2クール。SHIROBAKO全話観られるやったね。既に卒論発表を終え、下宿を引き払ってしまった大学の卒業式へ向かうためにムーンライトながら号でアニメ一気観。ヒマな学生時代のぜいたくなひととき。185系電車の歴史上最長距離の営業列車で観る凪のあすからP.A.Works最高やで。

 

 明日からの労働を前に、部屋の片付けで出てきた130サイズのスク水を頭に被りながらブログ書くの最高やで。みんなもやろうネ!