新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

戦術と戦略

 素人は戦術を語り、玄人は兵站を語るとかなんとか言いますけれども、本日は戦術と戦略の話です。それもわれわれ等身大の人生の戦術と戦略。やけに壮大でまた主語がでかいテーマですが、かつて母校の講演会で岡山大学医学部のエラいけどやけに親しみやすい楽しげな先生が語ってくれた内容の焼き写しというか劣化コピーになりますねぇ。

 

 結論から言うと戦術てのはその場で死なないようにするもので、戦略というのは長期的に死なないようにするためのものですよ、というお話でした。では人生における戦術とはなにか。ひとえに礼儀とか言動でしょう。「人当たりの良い」と思われれば戦術レベルでは勝ちです。礼儀正しくいつもニコニコしてればボロッカスに言われることはまずあるまいし、たいてい可愛がってくれるでしょう。礼儀正しくいつもニコニコしてる人がボロ雑巾みたいになってる組織があったらそこからそいつを助けましょうね。暗黒ブラック企業とかそういうのあるから。ところが、礼儀正しくまともな日本語を喋ってニコニコしていてもお給料が800万円になりません、どうしたら良いでしょうか。そういうレベルになってくると必要なのは小手先の戦術ではなく戦略なのです。

 

 では中長期的に豊かに暮らすための年収800万円ロードを目指して今一歩踏み出そう、こういうのは戦略と言います。長期的な目標を立て、千里の道も一歩から。千里中央へは券売機で北急線連絡のボタンを押してどうぞ。最近ようやくSuicaも使えるようになりました。銀行屋はどうすれば年収増えますよって話せずにこうすれば借金増やせますよとかこうすれば投資信託の手数料でウチが儲かりますよって話しかしないし、不動産屋は新築マンションばっか売りに来るし、じゃあ逆に中古公団を現金でポンと買うのが一番お得なんじゃないのだろうか。知らんけど。相当ボロいけど。

 

 高校・浪人時代の同級生たちが血眼になって医者や薬剤師を目指していたのが今頃になって理解の極みに達したが、ほんのすこし遅かった。大学時代の同級生が必死こいて公務員試験のテキストをやっていたのも、正しい選択であった。周りの自分より賢い奴は戦術も戦略も格上だなぁと指咥えて眺めてるだけだとダメ人間が一丁上がりであるから気をつけられたい。

 

 さて、明日は何をどうして生きるべきだろうか。とりあえずふとももに首を締められたいというのが戦術で、楽して生きようというのが基本戦略だろう。たぶん。