新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

街に笑顔を

 今日のタイトルは地元の信用金庫によく書かれているフレーズを頂戴した。信用金庫は街の毛細血管である。商店街の吹けば飛ぶようなちいさいお店に運転資金を融資する。ついでに外交員の新人は「使わんでもええきん!カードが来たらハサミ入れて支店来てくれてええきん!」とカードローン口座のノルマをなんとかと、その商店主とその家族らにお願いして回る。時々そうやって作ってもらったカードローン口座をルーズな人が枠パンパンまで借りてみたりして、2月と8月に先述の外交員さんに「笹松さん、すんません利子がついて枠超えちゃうんで3万だけ入れてもらえますか」とか言われるようになる。良い子はノルマに付き合って作ってあげたカードローン口座からお金を出しちゃだめだぞう。0円スタートでマイナス円しか記録されない恐怖の通帳がこの世には存在するのだ。解約するときに耳を揃えて返済してようやく0円になる。穴を掘って埋めるかのようだ。どこぞの銀行の鉄道模型ローンなんてのも、利子が高くて実態はカードローン口座に過ぎないわけであるから油断は禁物だ。

 

 街に笑顔はどこ行った。結局のところ信用金庫も職員に給料を支払わねばならず、今では株価に合わせて乱高下する投資信託を窓口で販売し、定期預金の客にはポケットティッシュひとつ配らなくなってしまったと聞く。みんな不景気が悪い。

 

 景気が悪ければ悪いほど強いのが三大欲求の商売である。なんせ食わないわけにはいかないし、寝なかったら死ぬし、射精しなかったら眠れないのだ。したがってスーパーマーケットという施設は食料品と布団とコンドームさえ売っていれば今後共安泰である。とはいえ人口減少局面ともなると商売は厳しいわけで、人口が2割減ったら食料品も自動的に売上が2割減少、布団も買い換えペースが2割ぶん落ちて、個人的な肌感覚ではリア充しか買わないコンドームなんか人口が2割減ったら売上3割ぐらい減ってんじゃないのか。新卒のカードが切れたころはとあるコンドームメーカーの新卒採用なんかも調べてみたけれど、リクナビやらマイナビやらに出てなくて、なんというか中途採用のフォームみたいなのでお問い合わせくださいだったから見送ってしまった。リクナビやらマイナビに求人出すと100万からお金がかかるので、それすらできねえのかやっべえなあという判断である。

 

 そんなわけでスーパーマーケットも実は戦々恐々としているのだ。毎日食うものを売っていても、他所の店から広告の品でお客様をぶん取っても、未来は売上2割減なのだ。売上2割減の世界で街に笑顔はあるのか。

 

 神戸の方で物騒な"揉め事相談所"が分裂騒動を起こしているのもきっと売上の減少が根底にある。金持ちケンカせず。カネがないから揉めるのだ。きっと「だめな白い粉」とか「武器(飛び道具)」とかの商売があがったりなのだ。みんなおりこうに教育されてしまってヤクもハジキも価値が暴落してしまったのだね。

 

 おまんこ屋さんも来るべき人口2割減にむけてなにかやることはあるのかというとこれは労働集約型産業であって1人の人間が1人の人間を相手にするから店自体のダウンサイジングは必要だろうけれど取り立てて対策を打つ必要はないというのが通説である。誰の?俺の。……と思うじゃん、各個人の給料も売上の分2割が減ってる可能性すらあるわけでそうなると人口2割減の世界ではおまんこは2割引にとなるのだ。なんか変だ。人口が2割減っても給料が2割減らない人間だって居るだろうしいったいどういうことなのだ。おまんこの値段は東京証券取引所で一意に定まらないのか。

 

 いっそ貨幣を廃止して援助交際という概念をなくしてしまおう。