新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

退職しました

 みなさま、お久しぶりでございます。訳あって4月の頭からしばらく"おとなしく"しておりました。各方面で相当心配をお掛けしたようで申し訳なく思います。身体はピンピンしておりますのでご安心を。流石に何が起こったのか、どういう対処をしたのか、それらを語り、そして、読者の皆様方が同じような目に遭わぬよう、インターネット時代の危機管理に活かしていただければ幸いと思います。

 

・近所で起こった監禁事件と解釈

sasamatsu.hatenablog.jp

 これは3月の末に書いた記事である。今ではもう半年の時が流れ、記憶から消えた方も多いであろう、西千葉で起きていた女子中学生監禁事件を受けて書いたものだ。別に彼の容疑者をどうこう、というわけではないが、この記事を"犯罪者の擁護"と捉えた方がおいでたようだ。その解釈大いに結構。10人居たら10通りの解釈をされることを恐れれば文章は世に出せぬ。従って別にそういう解釈をしていただいても構わない、というのが表現の自由まかり通る法治国家日本において日本語で文章を書く人間の基本スタンスであるが、どうやらそういうわけにいかぬ部分というのが存在したようだ。

 

 こないだ退職した会社の本社総務部が"そういうわけにいかぬ"かったようである。

 

コンプライアンス表現の自由

 私は本名ではなくハンドルネームにてこのブログ、及びtwitterをやっていて、無論、本名は非公開である。Facebookも一時期やっていたがアカウントを削除した。ところが、だ。実体を伴う人間であり、社会生活を営む以上、「私の本名とハンドルネームが紐づいている」人間もある程度存在する。とくに、大学時代の同級生には、弊ブログの存在が遍く知られている。したがって、本名と、ブログ・twitterからわかる生活地域と、そして所属していた研究室の進路一覧に掲載されている企業と、これらで勤務先が特定できてしまうわけだ。

 

 ここで結論から申し上げる。ご丁寧に、勤務先の事業所及び本社に、都合2通、「笹松しいたけ、本名はこれこれという人間が、こういうブログをやって犯罪者の擁護をやっているが、どういうおつもりだ」というお手紙を書いて寄越した人間が居る。当然、お手紙は差出人不明である。

 

 差出人は不明なのだし、具体的な脅し文句はないのだから、本社総務部で握りつぶしてくれれば、今頃手紙の送り主は郵便事故を疑って疑心暗鬼モードに入り、勝手にメンタルを壊してくれたりしたかもしれないが、現実はそうもいかず、as soon as possibleてな感じのスピードで謎の面談がセッティングされ、仕事中にこっそりと呼び出される運びとなった。やべえ、こういう事態に備えてボールペン型のICレコーダーを胸ポケットに刺しておくべきだった。時既に遅し。今は寿司が食いたい。そして田舎の事業所、会議室に座って待っているのは、入社式でしか会ったことのない総務部の一番偉いおっちゃん。この時点で「ああ、98%ぐらい垢バレだろう」と変な諦めがついた。そしてお手紙が届いて内容がこれこれであったと報告を受ける。で、分厚いファイルの就業規則を開かれ、ポストイット付きのページにご丁寧に蛍光ペンで印がつけてある。「今後もこういう手紙が続いてきたり、あるいは会社の評判を下げられたりしたら……」「今回は処分をする気はないけれど……」へいへい、わかりましたって。

 

「よく考えて欲しい」

 

 と言われたのでその場で退職を決め、即興で退職届を書いて叩きつけて、ジャケットを脱いでアバヨと退社……しても良かったが、おあいにくながら私はそこまで生き方がロックじゃあなかったので、ブログを消して、twitterに鍵をかけて、「様子を見る」ことになった。

 

・退職活動-タイカツ!-

 実家が地主だったり父親が社長だったりしたらその場でアバヨしても食うに困らないのだろうけれど、悲しいかな実家は土地持ちではないし、親父はサラリーマンだし、会社をやめるとキャッシュフローが悪化するのは火を見るよりも明らかであった。従って当面のキャッシュフローをどうにかする必要があった。それも、今の会社に居ると、就業時間以外の行動をどこからか盗み見て、重箱の隅をつつくような内容の「良からぬお手紙第二弾」がいつ届くか分からず、よって減給・解雇の危険がチラつくわけであるから、全く別の、千葉大の卒アルや研究室のサイトに掲載されないところで職を探すこととなった。

 

 便宜上、本件においては"犯人"と称する、手紙の送り主がアホじゃないお陰でやりづらい。オンライン上で派手に暴れてくれればログが残っていくらでも責められるのに、古風に郵便を使うせいで消印くらいしか手掛かりがない。じゃあ逆に手紙で会社の評判をどうやって落とすのか謎ではあるが、総務部のエラいおっちゃんと一休さんのトンチ合戦をしてまでブログを続けるのもちゃんちゃらおかしい。

 

 どうも、犯人は私が職を追われるのが主目的ではなく、「おとなしくなる」のが目的のようである。なるほど、では現状は一方的な敗北ではないか。在学中から私のことを快く思っていなさそうな同級生は数名思い当たるフシがある、ただ証拠はない。数年前にtwitterに私への不満を空中リプライで、というかFF外で書いて数時間で消したアイツが怪しい、などと言い始めればキリがない。なんでFF外のそういう動きが分かったかって?みんな非公開リストで学科のメンツを監視するぐらいしない?え?普通はしない……?いつからこのブログやってる人間が普通だと錯覚していた……?

 

 というわけで、キャッシュフローがどうにかなりそうな目処がたち、仕事が一段落したところで退職することにした。

 

・本件事案からの学びと今後

 まず第一に、過激な発言・思想哲学を文章化する場合はオフの、本名で交流する場所でアカウントを紹介しない。これまでの大学生活において、ハンドルネームを隠さずにアカウントを運用してきた。しかし、これは、「私に対して大学の、本名を知っているような人間に恨まれないであろう」という甘い見通しから成り立つものであった。もしあなたが誰からも恨まれないという保証がなければやめたほうが良い。twitterは頑なにやっていないことにするか、或いはリアル用のアカウントを作って使い分けるべきである。無論、一億総潔癖症時代の今日でも潔癖症の皆様方から見てなんら問題のない、毒にも薬にもならない発言しかしないのであれば態々アカウントを分ける必要はないと考える。

 

 そして第二に、既に悪意のある犯人にタゲられている以上、アカウントを捨て、新たなハンドルネームを用いて"転生"することも考えた。しかしながら、過去の技術的投稿や独特の文体、異様なまでの膣内射精への執着等、ならびにこれまで書いた記事が惜しいという生来の貧乏性が転生を拒んだため、これからはせめてもの抵抗として、日銭を稼いでいる手段、そして居住地も非公開として、謎の思想哲学おじさんとして生きることとする。どちらかと言うと、居住地が割れても勤務先、あるいは保有不動産の詳細が秘匿されていれば安全とは思うが、執着心のおかしな犯人がストーカーと化せばすぐに分かってしまうであろうから、「居住地」「勤務先」は非公開とすること。特に、この記事を書いた以後に私や、あるいは私と親しいであろう方に「笹松の居住地」「笹松の勤務先」を聞いて回るヤツ、これが一番怪しい。

 

・今後の対応

 これまで容赦なくすべての不義に鉄槌を下してきたので、本件においても、遠慮無くストーカー事案として警察署の生活安全課に相談している。幸いなことに、資料を揃えて尋ねたため、手紙の消印がつくエリアの郵便ポスト近辺に設置された防犯カメラの映像を探してくれている。こうして現況を公表することで牽制にもなり、また、犯人に対し「いつ警察にインターホンを鳴らされるかわからない恐怖」を与えることも出来て一石二鳥である。日本の警察ナメんなよ。そして貴殿が敵に回した"笹松しいたけ"は、味方に居れば頼もしく、だからこそ、最も敵に回してはいけない人物であったことを痛感するがいい。

 

 なお、恐怖で自殺されたりしても寝覚めが悪い話になってしまうから、条件次第では和解に応じる準備もあるし、降参したというならば直接連絡をとって欲しい。なあに、心配は不要だ。騙したり脅したりしたら民法上の和解てのは無効になっちまうから、しっかり録音しておくし、金額が不当だと言うなら法廷で場を用意しても構わない。警察にお宅訪問をされる"かもしれない"ストレスから逃れるなら安い、という金額で用意させていただこうと思う。なにせ、こちらも、解雇される"かもしれない"というストレスを味わってしまったのだから似たようなものでしょう。

 

 

 

 それでは読者の皆様方、おまたせ致しました。通常営業に戻ります。

 

 夜明けに「飲み会でカップルから『ゴムは嫌い』だの何だのと言われた上に低用量ピルを見せびらかされる」という内容の"夢"を観てしまい具合が良くないのでおふとんとセックスします……