新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

ひこうじょう

 用事がってのもクソもなくてコミックマーケット91に参加するためなのだが飛行機に乗って出かけることとなった。家から飛行場まで車を走らせ、駐車場のわかりやすい場所に止めてターミナルへ。地方空港のターミナルも色が出ますね色々と。私は郷里の高松空港に慣れてしまっているので、見送りの祖父母がそうしたように保安検査場手前の喫茶店で時間調整をして、保安エリアのあちらとこちらをつなぐ受話器でぴいぴい泣きながら話をして別れるというのが長期休暇ごとに繰り返されいた。当時は日本エアシステムがまだ健在で、なぜか安い運賃を設定していたため愛用していたように思う。

 

 高松空港の話はさておき、幸か不幸か飛行機系のクレジットカードを作ったところ、ラウンジの利用券が付属しているらしいのでこれ幸いと入ってみることにした。地方空港にもちゃんとラウンジを作って待っているのが航空会社のブランド力かどうかはともかく、入れる人間を制限した待合室というのが許されるのは飛行機ならでは、なのだろうか。船だとそもそも客室からして違うだろうし、鉄道でお得意様専用のラウンジがあるという話はあまり聞かない。……と思っていたけれど、ビューゴールドラウンジてのが出来ているようだ。しかし、全ての主要駅にあるかというと、そういうわけではないし、空港の数と駅の数と……とかそういう不毛な議論がしたいわけでもない。不毛なのはパイパンだけで十分である。

 

 根が庶民なせいか、飛行機のチケットをパアにしてはなるまいと早めに空港へ向かう習慣が身についてしまっている。この度も適当に早くついたので空港の売店を覗いて、ANAの売店に「沈まぬ太陽」が置いてあるのは何かしらの政治的意図を感じずには居られないなあと思いつつ保安検査を通過。そういえば、と先述の通りラウンジ利用券のことを思い出し、待合室の片隅にあるラウンジのドアをくぐった。

 

 搭乗にも使ったIC付きのクレジットカードをリーダーにかざし、中に案内される。セルフサービスとはいえ酒類も飲み放題とはまた太っ腹だなあと思いつつ、本来であればここに入るために必要なカードは金色だったり黒色だったりするのだろうと、気後れしてしまいそうになる。おそらくJALからのメッセージであろう。「CLUB ESTは30歳までだからそれまでにここへ到達しろ」という内容の、無言の圧力。おおそうか、低廉な年会費でクラスJやらサクララウンジやらを味あわせてやるから社会的にビッグになってくれ頼む、あっちのターミナルを発着する青い航空会社に向かって「あらあら今頃逃した魚の大きさ確認ですかあ???」と煽れるようなうちのお得意様になってくれ、という何かしらの意図を感じずには居られない。

 

 

 

 と、いうわけで今日は羽田空港サクララウンジからお届け。皆様にとって2016年とはどのような年になっただろうか?1年でどうなった?なりたい自分に近づけたか?人間として成長したか?……と、自分の心に塩を擦り付けるのはさておき。

 

 残り少なくなりましたが、どうぞ思い思いの2016年をお過ごし頂ければ当方勝手に幸に存じる。来年も楽しくなるに違いない。私が保証する。生きている人間はだいたい面白いからだ。

 

 

 飛行機って泊まりの旅行で使うことが多いし、かわいいあの子のぱんつや美人なお姉さんのブラも空輸してんだよなあと思ったらやべえぐらい楽しくなってきませんか。

 

 

 良いお年を。