新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

#C91感想 『足柄さんと彼の秘密』(casca/ちこくぐみ)

 去るコミックマーケット91初日、羽田に降りその足でそのままビッグサイトへ。一通りチェックしたサークルを回り、友人のサークルへ。混雑が一段落したところで、互いに「戦利品」の情報を交換した。そこで、「足柄島*1が足柄みたいな美人の売り子さんばっかり居てたいへんご利用*2だった」などとのたまうハゲ茶瓶が居たので、すかさず私は「ご利用じゃん。それは山側か、海側か」と問うた。茶瓶、返して曰く「ここは埋立地ぞ、どっちをむいても海側ぞ、凡そあのあたりだ」と、方角で言うと南の方を指差した。その足柄島でみつけた本のお話。

 

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 足柄さんのことが好きでたまらないヘタレ提督。足柄と大淀が最近できたバーに通っていて、しこのバイトの子がイケメンで気が利くと聞き、さらに大淀には煽られ、気が気じゃない様子。さあて、うかうかしてると足柄さん取られちゃうよ?というお話でした。足柄仕込み(?)のレディな暁に驚きつつ、バーのイケメンに勇み足で宣戦布告しちゃう提督から足柄への想いが感じられます。でもバーのバイトに宣戦布告する勇気はあるのに本人にアタックできないところがヘタレか。

 このヘタレぜってえ治んねえし足柄も足柄で恋は戦争か何かかと思っていそうだし、大淀と妙高型3人は苦労するだろうなあきっと、とまるで傍観を決め込むジジイのようにニヤニヤが止まらない。でもきっと暁がなんとかしてくれるんだ。なんたってレディだから。きっと先に進まない2人に業を煮やして、何かしらの爆弾を投げ込んでくれることでしょう。いや、ここは魚雷と言うべきか。

 

 ヘタレは治らないけど続きは出るかもしれない、ということで、程よく心を揺さぶる年下イケメンとヘタレ提督の話が続きそうです。オリジナルキャラが出てくるという要素が大丈夫な諸兄はぜひ。

*1:コミックマーケットでは同人誌に描かれたメインキャラクタでサークルが集中して配置されるが、その机の塊を、島集落に見立てて○○島と呼ぶ。

*2:京城南地区のごくごく一部、ごくごく一部の職種、職場で通用する言い回し。「ご利用」≒良い、「ご利用頂けない」≒良くない、「しょっぱい」≒しょっぱい、と言ったニュアンスであるが、深く考えなくて良い。