新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

東京湾納涼船2019

 ブログを書くのもどれだけぶりかと思えば前の記事はイベント参加告知だけなのであった。筆不精が過ぎる。というよりも同人誌の原稿を抱えているとこういう散文を書く気持ちの余裕がなくなるということか。なるほど人間適度な圧力というのは必要なれど締切がなくなると途端に書かなくなるのであった。

 

 東京湾納涼船というのは竹芝桟橋から伊豆諸島に船を出している東海汽船が毎年夏になると大島方面航路の間合い運用*1でやっている遊覧船のことである。東京近郊のナウ(死語)なヤング(死語)では「ナンパ船」でも通る。なお公式にはナンパ等の迷惑行為は禁止であるとされ、万一トラブルになるとあのカッコいい制服を着た屈強な航海士に連行されることとなる。

 

 ナウでもヤングでもない同人作家が東京湾納涼船に乗ることになるのは今から遡ること数ヶ月、台湾に拉致された直後に「運転手」である沓野から八丈島旅行の提案があった頃に遡る。常日頃から台湾に行きたいと言うのと同じぐらいの頻度で私は八丈島へ行きたいとも言っていた。ちょうど沓野が東海汽船の会員制度「七島クラブ」に入って伊豆諸島を順番に訪ねている最中であり、ちょうどいい同行者として選んでいただいた次第。

 で、だ。「八丈島に行く前に納涼船に乗ろう」と提案されるわけである。何も知らない私は「ははあ屋形船のことか」と快諾して手配を任せて前日まで放置。旅の支度をしながら「東京湾納涼船」と検索してビックリ。屋形船ではなく大型客船「さるびあ丸」の間合い運用であるとここで知る。

 当日、八丈島への旅支度をして竹芝桟橋で集合する。

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「屋形船だと思ってたわ」

「"なんぱ"船やぞ」

「……中森明菜?」

「おれとひとつしか変わらないんだよなあ……?」

 とかいうやりとりもしつつ乗船。ロビーでプラスチックカップにビールやサワーが注がれて置かれており、これらなんと飲み放題。2,600円の乗船代金に飲み放題が付属している。インターネット予約で2,400円だったか。今シーズンが終わり増税されて値段が変わるかもしれない。

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 じゃぶじゃぶとやっていると出航時刻。貿易センタービルや東京タワーに見送られながらゆらゆらと東京湾へ。飲み放題ではあるがフード類と一部のちょっといいドリンクは有料である。予め100円×5枚綴りのフードチケットを買っておくか交通系ICカードでの決済となる。Suica/PASMOの残高を交通費縛りとかしてない人なら特にフードチケットを買う必要はないでしょう。男4人はアホなのでフードチケットを買いすぎて余らせる。……あっひょっとしてこれ半端に余るからそれで女の子に声かけろやっていうあれか? あれなのか!?(気づくのがしぬほど遅い)

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「おい笹松ガントリークレーンやぞガントリークレーン」

「まだ言うかwwww」

 などとやりとりしていたらレインボーブリッジをくぐるところ。「天気の子」よろしく、しかし酒を飲みながら「東京って、こえー……」とやるのもお約束。

 

 この日はそのまま降りて一休みし、橘丸に乗り込んで八丈島へ。

 

 そして時はまた一ヶ月ちょい進み、9月の三連休。そう、東京湾納涼船のラスト三日間はなんとインターネット予約でひとり1,000円のバーゲンプライスなのだ。もちろん飲み放題。頭の悪い男4人は使い残したフードチケットを女の子と分けるでもなくシーズン中に2回乗って使い切るのだ。東海汽船ありがとう。

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 というわけで東京湾の夏も終わり、2代目さるびあ丸も来年5月引退ということでお疲れさまでした。納涼船ダイヤを終えると再び横浜に寄港するようになるため、手軽な船旅をしたい方は是非に。台風被害が落ち着いたら伊豆諸島へ旅行してもいいと思いますよ。近いし。東京都だし。

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 びーるうめえ。

*1:本来の仕事、この場合は伊豆大島航路の合間、間合いでやるアルバイトのような運用のこと。鉄道では特急用の車両がホームライナーや快速・普通列車に入ることを指して言うことが多い。