新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

コンビニATMの勢力争いに巻き込まれる我々

 コンビニエンスストア、縮めてコンビニ。脱サラの代表格とも言えるし、酒屋さんの業態変更とか新規出店とかも聞きますねぇ。ハイネケンやらバドワイザーやら、「なんで?コンビニなのに?」みたいな品揃えのお店はたいてい酒屋さんの息がかかってるから店長っぽい人に聞いてみようねぇ。本店の酒屋のほうを紹介されるかもわからん。突然知らぬ土地で最終列車を逃し、ひとまずホテルは抑えたものの、下着もワイシャツも予備がないとかそういう状況でもカミソリからワイシャツまで揃ってしまう「あいててよかった」がコンビニエンスストアの真骨頂。大晦日、サンライズ瀬戸でシャワーを浴びるときに「健康タオルほしいなぁ」と東京駅有楽町寄りのビルの地下にあるセブンイレブンへ行くと健康タオルが買えるわけです。あいててよかった。

 

 しかしながら業界は3強、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートでガチバトルをしているわけです。かつて私はam/pmの「おこめサンド」が好きだったのですが、ファミマに吸収されてから消えてしまいました。実に残念です。別にファミマもam/pmも悪くないのですが、コンビニエンスストアというのは一部のニッチな商品を置く余裕はなく、一般ウケのよくない商品は陳列されなくなってしまうのです。限られた店舗面積で多種多様な商品を置き、店舗の立地に最適化したハイテクよろず屋ですからね。

 

 ローソンのロッピーに代表される顧客操作型端末もコンビニならではと言える設備でしょう。高速バスやら飛行機やら、観劇から何からたいていの金券類は買えてしまいます。

 

 

 コンビニATMも便利ですよね。たいていどこの銀行も一定条件を満たすと月に何度かはタダで使えますから。罠にハマらなければ。

 

 三大コンビニはそれぞれ置いてあるATMの種類が違うんです。セブンイレブンにあるのは「セブン銀行ATM」で、ローソンは「ローソンATM」、ファミマは「Enet」なのです。このうち最後のEnetはファミマ以外のコンビニにも置かれていますし、セブン銀行ATMはコンビニではなく街なかに配置されていることもあります。これら3つはだいたい一般銀行の「コンビニATM無料特典」に含まれているので気にしなくて良いのです。

 

 え、気にしないといけないコンビニATMなんかあるのかって?あるんだな、これが。一部のサンクスに設置されている「BankTime」と「ゼロバンク」、こいつらはゼロネットワークスが束ねているATMなのですが、上記三大コンビニATMに入っていないため、とくにBankTimeをうっかり使うとバッチリ手数料を取られるのです。ちえっ。とっととサンクスは全店舗ファミマに転換されてしまえ。しかしながらファミマもam/pmを吸収したとはいえ大人の事情でATMが「@BANK」という、「通帳が使えないだけで三井住友銀行のATM」であるブツが設置されっぱなしになっている店舗が多々あります。……と、いうことは、今後しばらくファミマは「設置されているコンビニATMが数種類併存しており、気をつけないと手数料を取られる」という状況が続くわけです。ブランディングがちょっとマズくないかい。そこらへんのATM事情詳しくない人に「ファミマのATMはEnetとBankTimeと@BANKがあるよぜんぶ手数料違うよ」なんてのを分かってもらえるか?「ファミマのATM使ったら手数料取られた」という感想だけが残らないか?「やっぱりセブンイレブンだよね」ってならないか?個人的にファミマ好きだから頑張って欲しいんですよ。やっぱりね、業界3位の雑草力というかなんというか。そういうところが嫌いになれない。

 

 ちなみに、コンビニという枠を外れて一般的な銀行のATMというのはたいていどこの銀行のキャッシュカードも読み込むのだけれど、ATMの接続ネットワークにBANKSとMICSがあって、よく田舎を旅行している新生銀行ユーザーがハマる罠というのもあるけれど、またの機会に致しましょう。

 

 3億円持ってたらATMの手数料なんて気にしないのにな(反語)。