新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

ASRock DeskMini A300を組む

 新しいパソコンを買うことにしました。前のパソコンはこちら。

sasamatsu.hatenablog.jp

 

 月日が経ち状況も変わったため、ちょっと余裕のある性能のマシンを導入することにしました。これまでずっとIntelだったしなあ、と思いつつ身近なAMDerであるところの池西氏とか、小型コンピュータで遊ぶ皆様の最前線をひた走るのらねこ氏の影響が大きく、総合的に勘案した結果DeskMini A300にRyzen5 2400Gを積むという判断になりました。

 

 参考にしたのはのらねこ氏の同人誌「DeskMini A300 バイヤーズ・ガイド」でして、これに従って組めばポンと立ち上がります。

 でもって、のらねこ氏の本に載ってる以上のTipsというか、そういう感じのアドバイスをちょろっと書き連ねておきます。繰り返しますが基本的に「DeskMini A300 バイヤーズ・ガイド」さえ読めばOKです。

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組み上がったDeskMini A300

 

・短いミッキーマウスケーブル

 アマゾンで買えます。

www.amazon.co.jp

 付属のACアダプタはデカいので、のらねこ氏によれば極性容量等が同じ小さめのACアダプタを使う手があるとのことです。私はケチなので付属のACアダプタを活かします。でかいったって東京ドームよりは小さいんだから、結束バンドベースと結束バンドでもって机の裏に貼ってしまいます。

 なお、この短いコードはプラグ側にアースの結線がありませんので、そのあたり気にする場合は自己責任になっちゃうかなと思います。

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いくらこのケーブルを短くしても他のケーブルで台無しだぞ? はい……

 で、その後、付属のACケーブルを使うとタップまでの距離によっては完全に持て余しますので、買ってきた20cmのケーブルに取り替えます。すると配線がスッキリ。

 写真にも写っていますが、タップも机の裏に貼ってしまうとホントにスッキリしますのでおすすめです。結束バンドと結束バンドベース、覚えておきましょう。

 

・リード線とかタコ糸/ミシン糸とか

 増設USBポートのケーブルを処理するために、前面パネルからの配線と同じクリップに通したくなると思います。というかなります。

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USBポート付けてからだと前面パネルは外せなくてねえ……

 前面パネルを外せばすんなりケーブルをクリップに通せますが、頑張って通そうと思うとクリップを持ち上げるためにタコ糸なりリード線の切れ端なりで引っ張ってやる必要があります。昨今のUSBポートの需給からすると無理に増設しなくてもいいと思いますので、それこそ机の下にUSBハブを貼り付ける等で対応できる場合は無理に買わなくてもいいオプションかなと思います。

 

・DisplayPort→HDMI変換ケーブル

 デュアルモニタだったり、液タブとモニタだったりする方も居るでしょう。DeskMini A300の映像出力端子はHDMIがひとつ、DisplayPortがひとつ、アナログD-subがひとつです。意外と買い忘れがちなので、今までHDMIケーブル2本で繋いでいた環境の方は忘れずにカゴに入れておきましょう。

www.amazon.co.jp

 これでワコムのCintiq 16と繋いでいますが問題なく表示されます。モニタのHDMI端子に直接つなぐのなら片側DisplayPort、片側HDMIみたいなケーブルでも良いでしょう。

 

 別に信者でもなんでもないので好きなCPUを使えばいいと思いますが、DeskMini A300はそれなりに小型でデスクトップ用のCPUが使えますのでおすすめです。もちろん、グラフィックカードが必要な用途で使うには貧弱な部分もありますから、自分がパソコンを用いる目的とよく相談して決めて欲しいところではありますが……。

 タワーマシンを無造作に置いても狭くならないおうちに住まい構えてえ。

パソコン遍歴

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Deskmini A300をポチってしまったので自分用のWindows機の遍歴を語っておく。

 

・はじめての自分専用マシンはドスパラBTOだった

 確か中2だったと思う。買ってもらうまでに死ぬほど紆余曲折があった(成績1桁を維持することなど一家引っ掻き回す大喧嘩をした記憶があるような……)がそれは本筋ではないから置いておくことにして、家族共用機がVAIOでCeleron1.6GHzか何かでメモリが256MBでとにかくうんこだったので如何にしてPentiumが良いか如何にして512MBのメモリが必要かということをパワレポと日経WinPCを積み上げて説得した気がした。

 結局資金提供はオヤジだったように記憶している。この父親は要所要所で貯めておいた自分のこづかいを放出させられていて大変だがいいオヤジで、家を新築した時の家電、ドラム式洗濯乾燥機とか冷蔵庫とか一式もオヤジ持ちだったように思う。つまるところそれなりに悲惨ではない金額が自由になるこづかいをもらっていて、他所に女を作るでもなく土日はペットボトル焼酎を緑茶で割りながらチビチビやってるいい父親なのであった。

横に写ってるDELLの中古は当時6,000円ぐらいでLinux入れたりしてた

横に写ってるDELLの中古は当時6,000円ぐらいでLinux入れたりしてた

 64bit対応のCPUとはいえOSは32ビット版のまま生涯を終えた。将来の拡張性というのはなかなか有効に活用されないのだなと思う。

 

 その他同時期に父からの払い下げやら中古やらで雑多に何台も24時間動いており、今思えばよく流体軸受じゃないうるせえHDDがギュンギュン回る中で眠れたなという気がする……。ポンコツの再セットアップはこのあたりと戯れながら覚えた。

父の払い下げAL-N2 MMX Pentium 200MHz メモリは増設しても48MBだっけな 化石

父の払い下げAL-N2 MMX Pentium 200MHz メモリは増設しても48MBだっけな 化石

Celeronの500MHzとかが載ってるダイナブック 化石は化石だけど上のレッツノートよりマシ

Celeronの500MHzとかが載ってるダイナブック 化石は化石だけど上のレッツノートよりマシ

Celeron400 MHzとか載ってた気がする DDRじゃないSDRAMだった

Celeron400 MHzとか載ってた気がする DDRじゃないSDRAMだった

 

・大学に入ってとりあえずノート 一番安いやつ

 2011年の春に大学に入り、実家から上記のマシンを移設するのも大変だからととりあえずWindowsが入っていて4万円ぐらいのノートパソコンを買った。大学生協ノートパソコンに中指を立てるような感じだが、レポート書くぐらいなら十分な働きだった。

 途中でCFD販売の箱に入った東芝製チップ採用という触れ込みのSSDに換装し、それなりに使えるようになってしばらくはサブノートとして現存していた。

ドスパラかどっかで買ったSSD 当時6千円台だったと思う

ドスパラかどっかで買ったSSD 当時6千円台だったと思う

 キーボードにPageUp/Downのキーがないなどノートパソコンとしての完成度はイマイチだった……。

 あとWindows7のくせにしょっちゅうブルースクリーンになるからmemtest走らせたらエラー吐いたのでドスパラに持ち込んでメモリを交換してもらった。Wndowsのせいだと思ってツイッタで愚痴ってたら「WindowsXPよりよっぽど安定してますよ?」と言われてハードウェアを疑うに至った。ビンゴだった……。

 

・録画専用機がメインマシンにまでなる 鼻毛鯖

 NTT-Xストアというインターネットバッタ屋(ひどい言い方:いいお店ですよ)で一時期鼻毛カッターとセットで売られていたNECのExpress5800というサーバがある。サーバではあるが普通のWindowsが走るのでパソコンとして使っている(いた)人も多いと思う。

 とりあえず本体を買って中身はアキバで買ったパーツにちょいちょい置き換えて、PT3を挿して録画機として使った。深夜アニメを録画し、録画完了後にバッチ処理エンコードが走って朝までにスマホ向けのmp4が出来上がるシステムを組んだが東京MXの本編とCMのつなぎ目でバッチ処理がコケる事態が頻発し、最速放送を捨てて他局(チバテレとかね)の放送を録画するなど運用でカバーしていた。

実家から持ってきたモニタとアキバのジャンク通りで買ったモニタでデュアル

実家から持ってきたモニタとアキバのジャンク通りで買ったモニタでデュアル 足元に置いてあるタワーマシンの写真なんてないよね……

 のちに岡山県北に引っ越し、アニメの放送がないのと、資金難からカードリーダとPT3一式をヤフオクで手放す等、録画機から録画機能が失われた。代わりにdアニメストアアマゾンプライムに加入した。そっちのほうがCM入らないし3億倍ラクだ……。運用途中でノートパソコンよりこっちの稼働率のほうが高いやんけと上記のノートからSSDをかっぱらってきたり、デュアルディスプレイでアナログ接続すると画面が揺らぐ(サーバだからね:画面出力は貧弱だよな)のでやっすいグラボ(HDMIとかDVIの端子が増えればなんでもよかった)を挿すなどして長く使っていたが、石川に転居してすぐ、グラボ買って間もない頃に件のSSDが沈黙し、部品交換で延命するか、他のパーツが死ぬ可能性も考えてシステムをリプレースするか2日ぐらい悩んでNUCをポチった。

引っ越してグラボ挿したら秒速でSSDがオシャカになった(因果関係不明)

引っ越してグラボ挿したら秒速でSSDがオシャカになった(因果関係不明)

 

・結局端子が全部埋まるまで酷使したNUC

 導入に関する話は次の記事あたりを読んでいただくとして

sasamatsu.hatenablog.jp

 導入まではスルスルっとうまく行ったので運用の話。当時は同人誌も作っておらず、ブラウジングiTunesTwitterのクライアントがヌルヌル動けばええわいと思っていたが、その後数年で同人誌出すわ絵は描くようになるわ艦これは二期になって重たくなるわと、別段「重い」「遅い」と思う場面は少ないもののCPUファンがブンブン回って無茶してます感がヒシヒシと出てきた。

 背面端子もmini Displayportが余った状態で長らく使っていたが、液タブを購入し無事2画面になってしまい空き端子はなにもない満席御礼。

NUCに無茶させやがって……

NUCに無茶させやがって……

 で、だ。世間知らずというか先見の明がないというか単にケチだったというか、当時はとりあえずメモリを8GB*2(8,000円相当)挿しておいて、安くなったら16GB*2にしようと思っていた。何の疑いもなくメモリ価格は下がるものだと思っていたが、読者諸賢はご存知の通り8,000円相当のメモリは最大で25,000円程度まで高騰した。「メモリ価格 推移」あたりで調べてみて欲しい。買った当時が底値だったのだ。というか16GB*2に換装する頃に価格が下がってるって幾らになってる予想だったのだ? と当時のおれをちょっとばかり問い詰めてみたいが真相は霧の中だ。

 それでもってあれよあれよと増設されぬまま、事情が変わり割とCPUパワーも欲しくなってきたため、やはりシステム一式のお取替えということになる。

 2.5インチベイにHDDを積んだらWindowsUEFIでどう設定してもアクセスがないときに電源が切れて、スケベjpgを一枚保存するたびにウィィイィンとHDDがスピンアップするまでフリーズする仕様には耐えられず、ColorfulとかいうやっすいSSDを買ったらその後リマークチップ搭載疑惑が浮上し、とりあえず殻を割ってみたりしたのもこのマシンだ。

  結局のところ、今日まで死んだりデータが消えたり化けたりしていないし、代理店の保証も(分解していない人は)生きてるっぽいのでリマークチップだろうが純正品だろうが大量突然死したりしない限り大きな問題にはならないっぽい。保証ったってあくまで交換してくれるだけで内部のデータはしっかりバックアップしておいてねっていうアレだし。それでもHDDのスピンアップを待つより30000倍快適になったのは確かだ。

 

 なんだかんだ、Windowsのない生活というのが考えられない程度に使っちゃいるが、生まれるのが10年遅ければiPhoneだけ持って生活するようなスタイルになったのだろうかと思いつつ、歴史にも人生にもifはねえんだよなと実感しながら新しいマシンを使っていきたい。

 

 それはそうと新しいマシンでもスケベコンテンツの表示時間が一番長くなりそうなのでゲイツほんまごめん……

学歴コンプ

 上野千鶴子氏による東京大学入学式の祝辞に対し何かを申した瞬間に自らが東京大学を出ていないという学歴コンプが露呈するスタイルなのはさておき、とりあえず半径五メートルのインターネットに波紋が広がったように見える。

 

 学がないので大変下品なことを言うけれど、「いちいち正論で突っかかってくるめんどくさそうな女を脱がせてもめんどくさいだけじゃん」VS「いちいち正論で突っかかるようなめんどくさそうな女だと思われたら脱がせてもらえないじゃん」という、漫然とした主語のでかい概念に対し、件の祝辞では「めんどくさそうな女だと思われて何が悪い、女じゃねえ人間だこのやろう裸と性器以外でガチンコじゃ」という至極真っ当なことを言っているのである。服を着ろ。

 

 じゃあなんでこれだけ燃えているのかと言うとそりゃあ養老孟司という偉い先生が出した「バカの壁」という本に詳しい。バカの壁は大ヒットして続編や実例編もめっちゃ出ているが、要約すると人と人は分かり合えない(ということすら分かってもらえない)という内容だ。

 

 アホであるところの私の脳みそを通し、祝辞という綺麗な場でお茶を濁しまくった前半部、これを「脱がした後でめんどくさい女は脱がしたくないという風潮があります」と読み解くと、なるほどそらそうだと納得がいく。

 で、後半部は「女を脱がすかどうかで判断する前に服を着た状態で出してきた成果を評価して勝負しろや」というこれもまたなるほどなという納得がいく。よく男性向けの作品を作っている女性クリエイターが作中のキャラではなくクリエイター本人に性的な目線を向けられて迷惑しているというやつだ。

 

 ではなぜこの祝辞が波紋を呼んでいるのかと言うと、前半の「脱がした後でめんどくさい女は脱がしたくないという風潮があります」はミクロの話で、後半の「女を脱がすかどうかで判断する前に服を着た状態で出してきた成果を評価して勝負しろや」はマクロの話なのだ。そう、残念ながら前者と後者は独立の事象なのだが、残念ながら主語の分解能力に難があるとミクロの話をマクロに適用してしまえるような気がしてしまう(逆もまたあるだろう)。

 

 マクロとミクロは差別と自由選択、とも言い換えられると私は思う。「私は○○人が嫌いだ(から仕事上不利な取り扱いをする)」は糾弾されるが、「私は○○人が嫌いだ(から交際相手には選ばないし結婚もしない)」は十分に有り得るだろう。

 

 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、という諺があるように、残念ながら成果が素晴らしいことと、人間として、場合によっては性的に好みである、好きである、愛せるという部分は切っても切り離せず、複雑に絡み合う。

 

 残念ながらミクロ視点で交際相手として好まれたこともなく、さりとてマクロに成果物がヒットしたこともない凡才のひとりとしては、東京大学に入学できたという非凡な才能を活かし、余すところなく活躍してくれたらいいなと、心からそう思う。

 

 そう考えると学術論文に限らず、性別がわからないような中性的な名前で活動し、ふだんは姿を現さないというのは本当にストイックなことだ。なにしろファンやフォロワーに手を出そうと思っていれば自己顕示欲から生身の自分が露出してしまうだろう。絵師さんでも時折おられるが、ただただ絵をアップするだけで普段の生活感はなく、性別も年齢も分からないという高尚なスタイルには憧れる。

 

 つまるところ、件の祝辞は「女絵師でシコるな絵でシコれ」をアカデミックな場で上品に申し上げるとそうなりますよという雑な理解でひとつ筆を置いておきたい。

 

 

 それはそうと東大の水色のチアコスえっちだと思うんだよな(台無し)。

手取川にさよならを(7)気候

 北陸と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。当たり障りのない話題として挙げられる天気の話をしましょう。まず湿度が高いです。これは日本海から吹く風のせいだと言われていますが、西から吹いた風も手取川やらなんやらを撫でて金沢に吹き付けますから結局全方位年がら年中空気に湿度が含まれます。手取川の水は白山の雪解け水ですからね。そもそもあたり一面田んぼですわ。手取川から農業用水引っ張り放題。

 当地に来て驚くのは天気の悪さでした。それに引き換え水に苦労はしないという利点はありますが気は滅入ります。故郷・香川県では満濃池の栓を閉めた瞬間に用水路と田んぼがキチっと干上がりますが、石川県は一年を通じて用水路に水が流れています。マジに。

 年中湿度は高めですが夏のほうが凶暴なのはご賢察の通りで、外を歩くだけで暴力的な湿気に包まれ、少し気温が下がると汗なのか結露なのかわからぬ液体で服がしっとりしてきます。クルマのエアコンのガスが抜けていないことに感謝……などと言っていたら夏2回分リビングのエアコンのガスが抜けたまま過ごしていて「富士通ゼネラルのエアコンは冷えねえなあ」などと思っていました。富士通ゼネラルさんごめんなさい。アパート新築時に手抜き業者が真空引きしたかどうかも怪しいような設置をして行ったのでしょう。御社のサービスマンはとても仕事が丁寧で礼儀も正しかったので帰り際に頂いたアンケートハガキでたくさん褒めておきました。室内機側のフレアナットにヒビが入り、ガスが抜けていたと説明してくれた上にチャッチャと手際よくフレア加工をやり直して帰られました。

 

 とはいえ夏場に数日留守にして帰宅すると湿度計の針が振り切るほどの状態になっており、1LDKの間取りにコンプレッサ式とデシカント式の除湿機を2台用意して連続運転していました。エアコンだけでは除湿が不十分で、25℃ 80%などになりますから、除湿機がないと寝ている間に布団がジットリしてしまい目が覚めます。

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  では冬はというと、越前・越中・越後ほど加賀の雪は多くなく、雪道運転noobにとってちょうどいい人生経験になるかと思っていたら、2シーズン目が記録的な大雪となり、クルマも出せないほど積もりました。多少降る土地だから多少の設備はありますが、想定の範囲外の豪雪となると除雪・排雪インフラが追いつかず、隣県福井ほどではありませんがひどい目に遭いました。

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 左がプリウス、右がキューブですが、ここまで積もってしまうと雪だるまと大差ありません。

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 ここまで掘るのに数時間を費やして諦めました。雪を捨てるところがなくなってしまったのと、マフラー回りをクリアできず、どちらにせよエンジンが掛けられないからです……。

 ちょうど艦これのローソンコラボで九三式酸素魚雷エクレアが店頭に並んでいた頃の大雪でした。

  前後のシーズンはこんなに積もらず、せいぜいクルマの上に10センチぐらい乗っていてスノーブラシ(カジノでチップを出したり没収したりするような棒によく似た形状をしている)でズルズルっと落としてOKなぐらいでした。本来、加賀はそれくらいしか雪が降りません。道路に数日雪が残ることは稀です。最大の難所は自宅駐車場からの脱出で、除雪車が入らないため雪でボッコボコの敷地から除雪された公道に出るまでの間に生活四駆がいい仕事をします。逆に言えば、除雪の行き届かない山間部にでも住まない限り「積雪した自宅駐車場」以外で四輪駆動の恩恵を受けることは稀です。

 なお、前述の豪雪時、4輪2輪の切り替えや左右輪の駆動力を振り分けるデフのロックをする機構、あるいは新型ジムニーのように浮いてしまったタイヤに対して断続的にブレーキをかける機構がないフルタイムの生活四輪駆動車は対角線上にあるタイヤが宙に浮いて空回りしてあちこちの道路上で沈黙していました。

 どうにかこうにか雪から這い出て産業道路沿いの飲食店へ行くと、入り口には突然の豪雪に除雪が間に合わなかったところを助けてくれたであろう、おそらく常連さんのお勤め先なんだろうなという会社へのお礼が出ていたりと、非常時の助け合いも見られました。おかげで我々もメシが食える。ありがたいことです。

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 肝心の雪道の運転ですが、白く雪が積もっている間はスタッドレスタイヤが効くため、みんなチンタラノロノロ走るようになって所要時間が伸びるぐらいで大したことはありませんが、一度雪が溶けて放射冷却で早朝に冷やされた頃にめちゃめちゃよく滑るようになります。これがブラックアイスバーンというやつかと思いながらツルツル滑ります。が、ビビって走ってれば死にはしません。国道も、雪が積もっているとみんな「いまのスピードでまったくブレーキ効かなくなったまま正面衝突してもまあ死なねえかな」ぐらいの流れになります。が、歩行者は40キロのタイヤロック氷上等速直線運動自動車に撥ねられると死にますので、主要な道路は横断地下歩道というやつがあり、ポケモンの地下通路のようになっています。f:id:sasamatsu:20180602180824j:plain

 名前の通り横断歩道を地下化したもので、積雪時に単なる雪ケースになってしまう歩道橋ではなく、道路をフタにする方向で建設したものと思って頂ければよろしい。横断地下歩道の入口影によくお巡りさんが隠れていて、シートベルト・チャイルドシート・ケータイあたりをチェックして数百メートル先で脇道に案内されるタイプのサイン会がよく開催されています。レッツ安全運転。

 

 あと、冬の空調ですが石油燃やすかガス燃やすかしましょう。ヒートポンプは効率が良いのも分かりますがエアコンは……

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 ダメでした。室外機の周りをちゃんと除雪してやっても湿度高いのと気温低いのとがコンボして1時間の間で30分暖房したら30分霜取りモードで風こそ出ないものの室内機からヒンヤリしたものが降りてきますから効きやしません。火を燃やせ。

 

 住めば都とは言うけれど、湿度だけは……金箔製造には有利とはいえ、ちょっと閉口してしまうのでした。

 真夏の高温多湿汗だくチアコスえっちできるんだったら高温多湿も大歓迎なんだよなあ(できない)。

箱名の入江

 左手で石川県を形作ったとき、人差し指の付け根のあたりが輪島、指の先がスズトウシャドウ印刷のある珠洲、親指の付け根あたりが七尾・和倉温泉になることはすぐお分かり頂けると思いますが(挨拶)皆様いかがお過ごしでしょうか。

 諸事情で引越が伸びたので気になるスポットに行っておこうと、査定金額が0円に等しいクルマのメーターを回す日々です。今日は「箱名の入江」をご紹介。手で作った石川県の親指と人差し指の間に浮かぶ能登島にあります。

goo.gl

 検索窓に「箱名の入江」と入れると現在では釣りスポットになっていて、春から秋まで入江に浮かぶ筏まで連れて行ってくれるようです(要予約・有料)。筏でなくても岸から釣りをするとマコガレイなどが釣れるようで、釣果をwebで見られます。実際に行ってみると確かに七尾北湾からさらに深く能登島に入っていて、両側は森が迫り、波も穏やかで、まるで湖のよう。水深も十分あり、形だけなら船のドッグに見えなくもない。……このあたりでピンと来た方も居るでしょう。そう、ここ能登島・箱名の入江は大戦末期、旧海軍の軍艦が米軍機の空襲を避けて疎開していたらしいのです。

 で、その軍艦の一隻が練習巡洋艦・鹿島だそうで、つまるところ能登島・箱名の入江というのは鹿島が終戦を迎えた場所らしいのです。

 ……らしいらしいと伝聞調で書いていくとどこかいい加減な感じがしてしまいます。ソースは北國新聞朝刊2017(平成29)年8月15日23面「能登島に軍艦隠しの入江 終戦間近 全長100メートル超の『鹿島』」ということで記事になっていますのでお近くの図書館等で取り寄せできます。隣町の図書館で縮刷版からのA3カラー複写が30円でした。タダ同然かよ。なお、この記事はスマホカメラで撮影した画像がtwitterにアップされており……その……著作権と出処的にはたいへん怪しいのですが、まあ読むことは可能です(URLを貼ることはしませんが)。

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 いくら日本海とはいえ七尾湾の中、さらに4キロも入ったところにある入り江では波もないにひとしく、飛び交う鳥の鳴き声しか聞こえない静かなところです。1945年7月末、米軍機から隠れ、息を潜めていた鹿島の乗組員はこの地で何を思ったのやら。

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 潜水学校七尾分校が設置される等、終戦直前にバタバタしていた能登の地も、70年の月日を経た現在は人口減少による衰退が激しく、七尾駅前のショッピングモールの運営が行き詰まったことが報道される等なかなか厳しいようですが、のどかなところです。

 

能登島・箱名入江(七尾市能登島曲町)

アクセス:金沢から自動車で約100分

 

※艦これで鹿島を持ってません

※出ろ

※今すぐ着任して

手取川にさよならを(6)プロパンガス

 これがもう利権なんですよプロパンガス。賃貸住宅のユニットバス設備をガス屋が負担して設置し、大家負担が0円だからと、都市ガスの使える地域ですらプロパンボンベが並んでいる集合住宅があるくらいズブズブの利権です。

 

・高い

 よく定性的に言われる「プロパンガスは高い」という説を検証するために、千葉にて東京ガスで暮らした4年間とプロパンガスで暮らした3年間の比較をしてみましょう。

都市ガス4年間の合計:1387 m^3

金額:244,685円

都市ガスで一年暮らした例

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プロパンガス3年ぐらいの合計:412.3 m^3

金額:370,801円

プロパンで一年暮らした例

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 都市ガス(13A)とプロパンは1 m^3あたりの熱量が約2.23倍違いますから、プロパンの量を都市ガスに換算すると約919.4 m^3になります。

 基本料金や季節ごとの使用量変動を無視して雑に都市ガス換算1 m^3あたりの金額に換算すると、プロパンガスで都市ガスと同じだけの熱量を得るために2.29倍の金額が費やされたことになりました。うわあ。こうして計算すると東京ガスという会社が慈善事業か何かをやっているふうに見えます。

 

・なぜ

 請求明細を確認してみましょう

基本料金 2,300円(都市ガスの2.2倍程度)

従量料金 690円/m^3(同一熱量を都市ガス量に換算すると309円/m^3、つまり2.6倍)

 暴利か。使わなくても契約しただけでまず都市ガスの2倍取られ、使えば使うほど都市ガスの3倍近い単価で取られるのですからおそろしい。にも関わらず2.29倍でおさまっているのは私が単にケチでプロパン屋に儲けさせてたまっかと冬場に水で洗い物をしたりと微妙にケチったせいかもしれません。逆に、都市ガスで暮らしていた頃は文字通り湯水のごとく湯水をつかっていてその金額で収まっていたということに他ならず、やはり東京ガスは神であることがわかります。ありがとう東京ガス

 

・避けられないか?

 プロパンガスを契約しない、ということすら考える価格差です。避ける方策はいくつか考えられますが、炊事に関してはカセットコンロ・IHヒーターの設置*1等、いくらでも手はありますが、プロパンガスの物件は「コンロ設置済みです^^(どんどん高いガス使え)」などという場合もあります。強い意志を持ってケチりましょう。

 

 しかしながら風呂がどうにもなりません。風呂バンス等の投げ込みヒーター*2がそこそこの価格で出ており、1~2年で元が取れる計算ではありますが、シャワーがどうにもなりません。厳密にはアウトドア用の電池式シャワーを使って湯船から組み上げればどうにかなるのですが、大掛かりな上に、湯船の湯は清浄な水道水ではないため清掃箇所が増えて面倒でしょう。

 

 それらを考慮し、「プロパンガスに苦しめられる田舎暮らしは数年限り……」と強く念じながら断腸の思いでプロパン屋にカネを払い続けました。プロパン生活は結果として3年で一旦終了する見通しです。

 

 ちなみに、持ち家ならば灯油を使う・エコキュートを設置する等いくらでもプロパンガスに頼らず、投げ込みヒーターとアウトドア用簡易シャワーによるなんか微妙な風呂生活を送らずとも文明的な入浴ができます。

 あと諏訪とかの一部湯量が豊富な温泉脈に恵まれた街では水みたいな値段で公営の温泉給湯が得られるそうですね。自宅に熱い温泉の出る蛇口が設置できてしまう街、すごい。

 

 

 実家も生家もフツーに四国ガスの管が伸びてきてるからあのへん田舎じゃないんだな(おめめぐるぐる)。

*1:とはいえ賃貸だと200 VのハイパワーIHヒーターは設置できず、100 V仕様を買ってくる必要がある

*2:電気用品安全法的にアヤシイ製品も多数あり、これらこそ隠れたプロパン利権かもしれません……

手取川にさよならを(5)図書館と本屋

 どのみちクルマがないと文化的な生活は送れないのであるが、それはそれとして本屋と図書館がないと死んでしまうのでお世話になったところは並べておきたい。おたくは書物の供給が途絶えるとすぐに死ぬ。

 

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・文苑堂書店

 隣県富山の資本らしい。8号沿いの、イオンタウンの隅にある。そこそこデカい。でも常に棚卸し、あるいは棚整理をしていて専門書1コーナーがごっそりなかったりした。人が足りてないのだろうか……。田舎の一般書店には珍しく(?)美少女文庫の取扱があった。

 

・明文堂書店/金沢ビーン

 これも隣県富山が本部らしい。大丈夫か石川県。知識が隣県に侵略されているぞ(?)。別に石川も富山も嫌いじゃないが。

 金沢ビーンズはそこそこでかい書店で、ここになければAmazonしたほうが速いと思う。県庁方面。ここにはフランス書院文庫、いわゆる黒本の取扱があった。

 近所の明文堂書店はツタヤ併設で深夜2時までやってて便利。ただまあツタヤの本屋なのでという印象は拭いきれない。娯楽の本はだいたい揃うんだけど。

 

・うつのみや

 金沢駅の専門店街に入っている。ここは金沢が本店らしい。駅に寄るついでに使った。

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 本屋の帰りが取っ手付き紙袋だとやっちまった感がすごい。

 

Amazon.co.jp

 おまえがなかったら今頃死んでる。たぶん死んでる。低血糖起こして痙攣してる。マジ愛してる。新宿の紀伊国屋かせめて津田沼丸善ぐらいは近所にあって欲しいんだけどそうも行かないからAmazonしゅき。まじしゅき。だいしゅき。

 

 

 Amazonがあっても、便利でも、それでも物理書店に通って買い物はする。人間は立ち読みして何かしらを買う生き物だからだ。それはそれとして立ち読みできないシュリンクパックのコミックの売上で書店が成り立っているという説もある。そして書店員バイトに関しては地域の最低賃金を10円か50円単位に丸めた薄給であることが多い*1再販制度はどこで買っても新品書籍が同価格であり返品が効くという便利な仕組みであり、田舎のおばあちゃんが一人で店番しているような書店の維持には役立ったが、1商品あたりの利幅が大書店小書店インターネット書店で同一であるという問題点また露呈してしまった。っていうか600円のコミックを送料無料でポストに投函してくるAmazonきみさあ利益出てへんやろ????? クレカの分割払いされただけで店の儲けがなくなるような利のうっっっすい商品でようやるわ。あの会社はインターネット書店じゃなくてAWS屋だからというのも分かる気がする。インターネットオタクが道楽で本屋やってるようなもんか。違うか。

 大学に居た頃は大学生協で本が1割引(……だったっけ)になるからHonya Clubで注文して大学構内で受け取ることが多かった。Amazonに比べると検索性やら納期やらに難があるが、大量に本を買い大量に本を積む人種であるから1割引かれるため背に腹は代えられない。流石に成年コミック大学生協に取り寄せるほどズ太くはなれなかったが……。だってレジのおばちゃん4年間ずっっと同じ人らやで。

 

 

 本屋以上に貴重なのが図書館である。田舎は図書館が少ない。正確には点在するがやはり自動車が便利である。バス電車バスバスと乗り継いで自宅から2時間はかかろうかという図書館までも30分でたどり着ける。公立の図書館はノートパソコンを持ち込んでモリモリ作業するようなブースがなくて背後が気にかかるのであまり行かなかった(背後を気にするような作業を図書館でするな)。

 

・金沢大学附属図書館

 地方は公立の図書館が少ないからか、はたまた偏在しているからか、卒業生でもない一般近隣住民への貸出までやってくれるありがたい図書館が金大にある。

 ただまあ、大学図書館であるから試験シーズン等混む時期に長居するのは申し訳ないからカレンダーで確認してから出掛ける必要があった。間借りさせていただくような暇人が超繁忙期にでけーツラして居座ってたら、都内の大学みたいに一般利用させてもらえなくなるかもしれないから……。東京都内の私大はだいたい公共図書館を経由して資料提供する程度しか卒業生以外の一般利用ができない。歳食った大学生ごっこしてノートパソコン持ち込んでブログやら同人の原稿やらやらせてくれるほど土地が安くないということか(図書館の趣旨に合わないだろ)。

 金沢大学角間キャンパスは「Angel Beats!」の作中に登場する学校によく似ているらしく、言われてみれば谷に架かる橋なんかもそれっぽく見えてくる。ただ角間は山の上で、金沢の中心部である香林坊・武蔵エリアも遠いし商業施設が多い8号の海沿いも遠い。発動機が欲しくなるキャンパスだ……。

 

北陸先端科学技術大学院大学附属図書館

 道路の青い看板にアルファベットでJAIST HOKURIKUって書いてあるあれだ。能美の丘の上にある先端大。公共交通不毛の地かと思えばなんと北陸鉄道石川線鶴来駅から、たいていの列車と1対1対応する形で無料シャトルバスが出ているからびっくりする。これが森喜朗のチカラか*2。「たいていの列車」と書いたが、下り・鶴来行きに限れば、石川線に乗ってきてJAIST行きのバスがないハズレは1日3本だ*3

 特筆すべきは、一般利用も24時間可能であるということ。平日の昼間、職員さんがいる時間に一度利用登録をして本人確認書類を見せると入館証をもらえるが、その後は年度末まで24時間入退館自由で当然のように貸出もしてもらえる。びっくらこいた。夜中の2時にノートパソコン持ち込んで同人の原稿をやったり(そういう使い方をするんじゃない)ノートにプロット書いたりしながら、飽きたら読む本が山ほどある。猫に鰹節である。

 どうでも良いけどJAISTは「Japan Advanced Institute of Science and Technology」らしく、どこにもHokurikuの記述はない。トーキョーを思い浮かべてやってきた留学生は詐欺か何かだと思うのではないか。当初予定では埼玉あたりに作る予定だったらしいが、ぜんぶ森喜朗が悪いということでどうか丸く納まって欲しい。 

 

 田舎でも文化的に過ごせるぞと書こうとしたらやはりクルマが要るという結論になった。人権が自動車の形をしている……。

*1:だいたい店内に募集のビラが貼ってある:千葉はH23年時点で最低賃金748円を丸めて750円という本屋があった

*2:違うと思う:そうでもしないと本当に足がない

*3:2019年2月現在のダイヤ