新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

学歴コンプ

 上野千鶴子氏による東京大学入学式の祝辞に対し何かを申した瞬間に自らが東京大学を出ていないという学歴コンプが露呈するスタイルなのはさておき、とりあえず半径五メートルのインターネットに波紋が広がったように見える。

 

 学がないので大変下品なことを言うけれど、「いちいち正論で突っかかってくるめんどくさそうな女を脱がせてもめんどくさいだけじゃん」VS「いちいち正論で突っかかるようなめんどくさそうな女だと思われたら脱がせてもらえないじゃん」という、漫然とした主語のでかい概念に対し、件の祝辞では「めんどくさそうな女だと思われて何が悪い、女じゃねえ人間だこのやろう裸と性器以外でガチンコじゃ」という至極真っ当なことを言っているのである。服を着ろ。

 

 じゃあなんでこれだけ燃えているのかと言うとそりゃあ養老孟司という偉い先生が出した「バカの壁」という本に詳しい。バカの壁は大ヒットして続編や実例編もめっちゃ出ているが、要約すると人と人は分かり合えない(ということすら分かってもらえない)という内容だ。

 

 アホであるところの私の脳みそを通し、祝辞という綺麗な場でお茶を濁しまくった前半部、これを「脱がした後でめんどくさい女は脱がしたくないという風潮があります」と読み解くと、なるほどそらそうだと納得がいく。

 で、後半部は「女を脱がすかどうかで判断する前に服を着た状態で出してきた成果を評価して勝負しろや」というこれもまたなるほどなという納得がいく。よく男性向けの作品を作っている女性クリエイターが作中のキャラではなくクリエイター本人に性的な目線を向けられて迷惑しているというやつだ。

 

 ではなぜこの祝辞が波紋を呼んでいるのかと言うと、前半の「脱がした後でめんどくさい女は脱がしたくないという風潮があります」はミクロの話で、後半の「女を脱がすかどうかで判断する前に服を着た状態で出してきた成果を評価して勝負しろや」はマクロの話なのだ。そう、残念ながら前者と後者は独立の事象なのだが、残念ながら主語の分解能力に難があるとミクロの話をマクロに適用してしまえるような気がしてしまう(逆もまたあるだろう)。

 

 マクロとミクロは差別と自由選択、とも言い換えられると私は思う。「私は○○人が嫌いだ(から仕事上不利な取り扱いをする)」は糾弾されるが、「私は○○人が嫌いだ(から交際相手には選ばないし結婚もしない)」は十分に有り得るだろう。

 

 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、という諺があるように、残念ながら成果が素晴らしいことと、人間として、場合によっては性的に好みである、好きである、愛せるという部分は切っても切り離せず、複雑に絡み合う。

 

 残念ながらミクロ視点で交際相手として好まれたこともなく、さりとてマクロに成果物がヒットしたこともない凡才のひとりとしては、東京大学に入学できたという非凡な才能を活かし、余すところなく活躍してくれたらいいなと、心からそう思う。

 

 そう考えると学術論文に限らず、性別がわからないような中性的な名前で活動し、ふだんは姿を現さないというのは本当にストイックなことだ。なにしろファンやフォロワーに手を出そうと思っていれば自己顕示欲から生身の自分が露出してしまうだろう。絵師さんでも時折おられるが、ただただ絵をアップするだけで普段の生活感はなく、性別も年齢も分からないという高尚なスタイルには憧れる。

 

 つまるところ、件の祝辞は「女絵師でシコるな絵でシコれ」をアカデミックな場で上品に申し上げるとそうなりますよという雑な理解でひとつ筆を置いておきたい。

 

 

 それはそうと東大の水色のチアコスえっちだと思うんだよな(台無し)。

手取川にさよならを(7)気候

 北陸と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。当たり障りのない話題として挙げられる天気の話をしましょう。まず湿度が高いです。これは日本海から吹く風のせいだと言われていますが、西から吹いた風も手取川やらなんやらを撫でて金沢に吹き付けますから結局全方位年がら年中空気に湿度が含まれます。手取川の水は白山の雪解け水ですからね。そもそもあたり一面田んぼですわ。手取川から農業用水引っ張り放題。

 当地に来て驚くのは天気の悪さでした。それに引き換え水に苦労はしないという利点はありますが気は滅入ります。故郷・香川県では満濃池の栓を閉めた瞬間に用水路と田んぼがキチっと干上がりますが、石川県は一年を通じて用水路に水が流れています。マジに。

 年中湿度は高めですが夏のほうが凶暴なのはご賢察の通りで、外を歩くだけで暴力的な湿気に包まれ、少し気温が下がると汗なのか結露なのかわからぬ液体で服がしっとりしてきます。クルマのエアコンのガスが抜けていないことに感謝……などと言っていたら夏2回分リビングのエアコンのガスが抜けたまま過ごしていて「富士通ゼネラルのエアコンは冷えねえなあ」などと思っていました。富士通ゼネラルさんごめんなさい。アパート新築時に手抜き業者が真空引きしたかどうかも怪しいような設置をして行ったのでしょう。御社のサービスマンはとても仕事が丁寧で礼儀も正しかったので帰り際に頂いたアンケートハガキでたくさん褒めておきました。室内機側のフレアナットにヒビが入り、ガスが抜けていたと説明してくれた上にチャッチャと手際よくフレア加工をやり直して帰られました。

 

 とはいえ夏場に数日留守にして帰宅すると湿度計の針が振り切るほどの状態になっており、1LDKの間取りにコンプレッサ式とデシカント式の除湿機を2台用意して連続運転していました。エアコンだけでは除湿が不十分で、25℃ 80%などになりますから、除湿機がないと寝ている間に布団がジットリしてしまい目が覚めます。

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  では冬はというと、越前・越中・越後ほど加賀の雪は多くなく、雪道運転noobにとってちょうどいい人生経験になるかと思っていたら、2シーズン目が記録的な大雪となり、クルマも出せないほど積もりました。多少降る土地だから多少の設備はありますが、想定の範囲外の豪雪となると除雪・排雪インフラが追いつかず、隣県福井ほどではありませんがひどい目に遭いました。

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 左がプリウス、右がキューブですが、ここまで積もってしまうと雪だるまと大差ありません。

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 ここまで掘るのに数時間を費やして諦めました。雪を捨てるところがなくなってしまったのと、マフラー回りをクリアできず、どちらにせよエンジンが掛けられないからです……。

 ちょうど艦これのローソンコラボで九三式酸素魚雷エクレアが店頭に並んでいた頃の大雪でした。

  前後のシーズンはこんなに積もらず、せいぜいクルマの上に10センチぐらい乗っていてスノーブラシ(カジノでチップを出したり没収したりするような棒によく似た形状をしている)でズルズルっと落としてOKなぐらいでした。本来、加賀はそれくらいしか雪が降りません。道路に数日雪が残ることは稀です。最大の難所は自宅駐車場からの脱出で、除雪車が入らないため雪でボッコボコの敷地から除雪された公道に出るまでの間に生活四駆がいい仕事をします。逆に言えば、除雪の行き届かない山間部にでも住まない限り「積雪した自宅駐車場」以外で四輪駆動の恩恵を受けることは稀です。

 なお、前述の豪雪時、4輪2輪の切り替えや左右輪の駆動力を振り分けるデフのロックをする機構、あるいは新型ジムニーのように浮いてしまったタイヤに対して断続的にブレーキをかける機構がないフルタイムの生活四輪駆動車は対角線上にあるタイヤが宙に浮いて空回りしてあちこちの道路上で沈黙していました。

 どうにかこうにか雪から這い出て産業道路沿いの飲食店へ行くと、入り口には突然の豪雪に除雪が間に合わなかったところを助けてくれたであろう、おそらく常連さんのお勤め先なんだろうなという会社へのお礼が出ていたりと、非常時の助け合いも見られました。おかげで我々もメシが食える。ありがたいことです。

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 肝心の雪道の運転ですが、白く雪が積もっている間はスタッドレスタイヤが効くため、みんなチンタラノロノロ走るようになって所要時間が伸びるぐらいで大したことはありませんが、一度雪が溶けて放射冷却で早朝に冷やされた頃にめちゃめちゃよく滑るようになります。これがブラックアイスバーンというやつかと思いながらツルツル滑ります。が、ビビって走ってれば死にはしません。国道も、雪が積もっているとみんな「いまのスピードでまったくブレーキ効かなくなったまま正面衝突してもまあ死なねえかな」ぐらいの流れになります。が、歩行者は40キロのタイヤロック氷上等速直線運動自動車に撥ねられると死にますので、主要な道路は横断地下歩道というやつがあり、ポケモンの地下通路のようになっています。f:id:sasamatsu:20180602180824j:plain

 名前の通り横断歩道を地下化したもので、積雪時に単なる雪ケースになってしまう歩道橋ではなく、道路をフタにする方向で建設したものと思って頂ければよろしい。横断地下歩道の入口影によくお巡りさんが隠れていて、シートベルト・チャイルドシート・ケータイあたりをチェックして数百メートル先で脇道に案内されるタイプのサイン会がよく開催されています。レッツ安全運転。

 

 あと、冬の空調ですが石油燃やすかガス燃やすかしましょう。ヒートポンプは効率が良いのも分かりますがエアコンは……

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 ダメでした。室外機の周りをちゃんと除雪してやっても湿度高いのと気温低いのとがコンボして1時間の間で30分暖房したら30分霜取りモードで風こそ出ないものの室内機からヒンヤリしたものが降りてきますから効きやしません。火を燃やせ。

 

 住めば都とは言うけれど、湿度だけは……金箔製造には有利とはいえ、ちょっと閉口してしまうのでした。

 真夏の高温多湿汗だくチアコスえっちできるんだったら高温多湿も大歓迎なんだよなあ(できない)。

箱名の入江

 左手で石川県を形作ったとき、人差し指の付け根のあたりが輪島、指の先がスズトウシャドウ印刷のある珠洲、親指の付け根あたりが七尾・和倉温泉になることはすぐお分かり頂けると思いますが(挨拶)皆様いかがお過ごしでしょうか。

 諸事情で引越が伸びたので気になるスポットに行っておこうと、査定金額が0円に等しいクルマのメーターを回す日々です。今日は「箱名の入江」をご紹介。手で作った石川県の親指と人差し指の間に浮かぶ能登島にあります。

goo.gl

 検索窓に「箱名の入江」と入れると現在では釣りスポットになっていて、春から秋まで入江に浮かぶ筏まで連れて行ってくれるようです(要予約・有料)。筏でなくても岸から釣りをするとマコガレイなどが釣れるようで、釣果をwebで見られます。実際に行ってみると確かに七尾北湾からさらに深く能登島に入っていて、両側は森が迫り、波も穏やかで、まるで湖のよう。水深も十分あり、形だけなら船のドッグに見えなくもない。……このあたりでピンと来た方も居るでしょう。そう、ここ能登島・箱名の入江は大戦末期、旧海軍の軍艦が米軍機の空襲を避けて疎開していたらしいのです。

 で、その軍艦の一隻が練習巡洋艦・鹿島だそうで、つまるところ能登島・箱名の入江というのは鹿島が終戦を迎えた場所らしいのです。

 ……らしいらしいと伝聞調で書いていくとどこかいい加減な感じがしてしまいます。ソースは北國新聞朝刊2017(平成29)年8月15日23面「能登島に軍艦隠しの入江 終戦間近 全長100メートル超の『鹿島』」ということで記事になっていますのでお近くの図書館等で取り寄せできます。隣町の図書館で縮刷版からのA3カラー複写が30円でした。タダ同然かよ。なお、この記事はスマホカメラで撮影した画像がtwitterにアップされており……その……著作権と出処的にはたいへん怪しいのですが、まあ読むことは可能です(URLを貼ることはしませんが)。

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 いくら日本海とはいえ七尾湾の中、さらに4キロも入ったところにある入り江では波もないにひとしく、飛び交う鳥の鳴き声しか聞こえない静かなところです。1945年7月末、米軍機から隠れ、息を潜めていた鹿島の乗組員はこの地で何を思ったのやら。

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 潜水学校七尾分校が設置される等、終戦直前にバタバタしていた能登の地も、70年の月日を経た現在は人口減少による衰退が激しく、七尾駅前のショッピングモールの運営が行き詰まったことが報道される等なかなか厳しいようですが、のどかなところです。

 

能登島・箱名入江(七尾市能登島曲町)

アクセス:金沢から自動車で約100分

 

※艦これで鹿島を持ってません

※出ろ

※今すぐ着任して

手取川にさよならを(6)プロパンガス

 これがもう利権なんですよプロパンガス。賃貸住宅のユニットバス設備をガス屋が負担して設置し、大家負担が0円だからと、都市ガスの使える地域ですらプロパンボンベが並んでいる集合住宅があるくらいズブズブの利権です。

 

・高い

 よく定性的に言われる「プロパンガスは高い」という説を検証するために、千葉にて東京ガスで暮らした4年間とプロパンガスで暮らした3年間の比較をしてみましょう。

都市ガス4年間の合計:1387 m^3

金額:244,685円

都市ガスで一年暮らした例

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プロパンガス3年ぐらいの合計:412.3 m^3

金額:370,801円

プロパンで一年暮らした例

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 都市ガス(13A)とプロパンは1 m^3あたりの熱量が約2.23倍違いますから、プロパンの量を都市ガスに換算すると約919.4 m^3になります。

 基本料金や季節ごとの使用量変動を無視して雑に都市ガス換算1 m^3あたりの金額に換算すると、プロパンガスで都市ガスと同じだけの熱量を得るために2.29倍の金額が費やされたことになりました。うわあ。こうして計算すると東京ガスという会社が慈善事業か何かをやっているふうに見えます。

 

・なぜ

 請求明細を確認してみましょう

基本料金 2,300円(都市ガスの2.2倍程度)

従量料金 690円/m^3(同一熱量を都市ガス量に換算すると309円/m^3、つまり2.6倍)

 暴利か。使わなくても契約しただけでまず都市ガスの2倍取られ、使えば使うほど都市ガスの3倍近い単価で取られるのですからおそろしい。にも関わらず2.29倍でおさまっているのは私が単にケチでプロパン屋に儲けさせてたまっかと冬場に水で洗い物をしたりと微妙にケチったせいかもしれません。逆に、都市ガスで暮らしていた頃は文字通り湯水のごとく湯水をつかっていてその金額で収まっていたということに他ならず、やはり東京ガスは神であることがわかります。ありがとう東京ガス

 

・避けられないか?

 プロパンガスを契約しない、ということすら考える価格差です。避ける方策はいくつか考えられますが、炊事に関してはカセットコンロ・IHヒーターの設置*1等、いくらでも手はありますが、プロパンガスの物件は「コンロ設置済みです^^(どんどん高いガス使え)」などという場合もあります。強い意志を持ってケチりましょう。

 

 しかしながら風呂がどうにもなりません。風呂バンス等の投げ込みヒーター*2がそこそこの価格で出ており、1~2年で元が取れる計算ではありますが、シャワーがどうにもなりません。厳密にはアウトドア用の電池式シャワーを使って湯船から組み上げればどうにかなるのですが、大掛かりな上に、湯船の湯は清浄な水道水ではないため清掃箇所が増えて面倒でしょう。

 

 それらを考慮し、「プロパンガスに苦しめられる田舎暮らしは数年限り……」と強く念じながら断腸の思いでプロパン屋にカネを払い続けました。プロパン生活は結果として3年で一旦終了する見通しです。

 

 ちなみに、持ち家ならば灯油を使う・エコキュートを設置する等いくらでもプロパンガスに頼らず、投げ込みヒーターとアウトドア用簡易シャワーによるなんか微妙な風呂生活を送らずとも文明的な入浴ができます。

 あと諏訪とかの一部湯量が豊富な温泉脈に恵まれた街では水みたいな値段で公営の温泉給湯が得られるそうですね。自宅に熱い温泉の出る蛇口が設置できてしまう街、すごい。

 

 

 実家も生家もフツーに四国ガスの管が伸びてきてるからあのへん田舎じゃないんだな(おめめぐるぐる)。

*1:とはいえ賃貸だと200 VのハイパワーIHヒーターは設置できず、100 V仕様を買ってくる必要がある

*2:電気用品安全法的にアヤシイ製品も多数あり、これらこそ隠れたプロパン利権かもしれません……

手取川にさよならを(5)図書館と本屋

 どのみちクルマがないと文化的な生活は送れないのであるが、それはそれとして本屋と図書館がないと死んでしまうのでお世話になったところは並べておきたい。おたくは書物の供給が途絶えるとすぐに死ぬ。

 

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・文苑堂書店

 隣県富山の資本らしい。8号沿いの、イオンタウンの隅にある。そこそこデカい。でも常に棚卸し、あるいは棚整理をしていて専門書1コーナーがごっそりなかったりした。人が足りてないのだろうか……。田舎の一般書店には珍しく(?)美少女文庫の取扱があった。

 

・明文堂書店/金沢ビーン

 これも隣県富山が本部らしい。大丈夫か石川県。知識が隣県に侵略されているぞ(?)。別に石川も富山も嫌いじゃないが。

 金沢ビーンズはそこそこでかい書店で、ここになければAmazonしたほうが速いと思う。県庁方面。ここにはフランス書院文庫、いわゆる黒本の取扱があった。

 近所の明文堂書店はツタヤ併設で深夜2時までやってて便利。ただまあツタヤの本屋なのでという印象は拭いきれない。娯楽の本はだいたい揃うんだけど。

 

・うつのみや

 金沢駅の専門店街に入っている。ここは金沢が本店らしい。駅に寄るついでに使った。

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 本屋の帰りが取っ手付き紙袋だとやっちまった感がすごい。

 

Amazon.co.jp

 おまえがなかったら今頃死んでる。たぶん死んでる。低血糖起こして痙攣してる。マジ愛してる。新宿の紀伊国屋かせめて津田沼丸善ぐらいは近所にあって欲しいんだけどそうも行かないからAmazonしゅき。まじしゅき。だいしゅき。

 

 

 Amazonがあっても、便利でも、それでも物理書店に通って買い物はする。人間は立ち読みして何かしらを買う生き物だからだ。それはそれとして立ち読みできないシュリンクパックのコミックの売上で書店が成り立っているという説もある。そして書店員バイトに関しては地域の最低賃金を10円か50円単位に丸めた薄給であることが多い*1再販制度はどこで買っても新品書籍が同価格であり返品が効くという便利な仕組みであり、田舎のおばあちゃんが一人で店番しているような書店の維持には役立ったが、1商品あたりの利幅が大書店小書店インターネット書店で同一であるという問題点また露呈してしまった。っていうか600円のコミックを送料無料でポストに投函してくるAmazonきみさあ利益出てへんやろ????? クレカの分割払いされただけで店の儲けがなくなるような利のうっっっすい商品でようやるわ。あの会社はインターネット書店じゃなくてAWS屋だからというのも分かる気がする。インターネットオタクが道楽で本屋やってるようなもんか。違うか。

 大学に居た頃は大学生協で本が1割引(……だったっけ)になるからHonya Clubで注文して大学構内で受け取ることが多かった。Amazonに比べると検索性やら納期やらに難があるが、大量に本を買い大量に本を積む人種であるから1割引かれるため背に腹は代えられない。流石に成年コミック大学生協に取り寄せるほどズ太くはなれなかったが……。だってレジのおばちゃん4年間ずっっと同じ人らやで。

 

 

 本屋以上に貴重なのが図書館である。田舎は図書館が少ない。正確には点在するがやはり自動車が便利である。バス電車バスバスと乗り継いで自宅から2時間はかかろうかという図書館までも30分でたどり着ける。公立の図書館はノートパソコンを持ち込んでモリモリ作業するようなブースがなくて背後が気にかかるのであまり行かなかった(背後を気にするような作業を図書館でするな)。

 

・金沢大学附属図書館

 地方は公立の図書館が少ないからか、はたまた偏在しているからか、卒業生でもない一般近隣住民への貸出までやってくれるありがたい図書館が金大にある。

 ただまあ、大学図書館であるから試験シーズン等混む時期に長居するのは申し訳ないからカレンダーで確認してから出掛ける必要があった。間借りさせていただくような暇人が超繁忙期にでけーツラして居座ってたら、都内の大学みたいに一般利用させてもらえなくなるかもしれないから……。東京都内の私大はだいたい公共図書館を経由して資料提供する程度しか卒業生以外の一般利用ができない。歳食った大学生ごっこしてノートパソコン持ち込んでブログやら同人の原稿やらやらせてくれるほど土地が安くないということか(図書館の趣旨に合わないだろ)。

 金沢大学角間キャンパスは「Angel Beats!」の作中に登場する学校によく似ているらしく、言われてみれば谷に架かる橋なんかもそれっぽく見えてくる。ただ角間は山の上で、金沢の中心部である香林坊・武蔵エリアも遠いし商業施設が多い8号の海沿いも遠い。発動機が欲しくなるキャンパスだ……。

 

北陸先端科学技術大学院大学附属図書館

 道路の青い看板にアルファベットでJAIST HOKURIKUって書いてあるあれだ。能美の丘の上にある先端大。公共交通不毛の地かと思えばなんと北陸鉄道石川線鶴来駅から、たいていの列車と1対1対応する形で無料シャトルバスが出ているからびっくりする。これが森喜朗のチカラか*2。「たいていの列車」と書いたが、下り・鶴来行きに限れば、石川線に乗ってきてJAIST行きのバスがないハズレは1日3本だ*3

 特筆すべきは、一般利用も24時間可能であるということ。平日の昼間、職員さんがいる時間に一度利用登録をして本人確認書類を見せると入館証をもらえるが、その後は年度末まで24時間入退館自由で当然のように貸出もしてもらえる。びっくらこいた。夜中の2時にノートパソコン持ち込んで同人の原稿をやったり(そういう使い方をするんじゃない)ノートにプロット書いたりしながら、飽きたら読む本が山ほどある。猫に鰹節である。

 どうでも良いけどJAISTは「Japan Advanced Institute of Science and Technology」らしく、どこにもHokurikuの記述はない。トーキョーを思い浮かべてやってきた留学生は詐欺か何かだと思うのではないか。当初予定では埼玉あたりに作る予定だったらしいが、ぜんぶ森喜朗が悪いということでどうか丸く納まって欲しい。 

 

 田舎でも文化的に過ごせるぞと書こうとしたらやはりクルマが要るという結論になった。人権が自動車の形をしている……。

*1:だいたい店内に募集のビラが貼ってある:千葉はH23年時点で最低賃金748円を丸めて750円という本屋があった

*2:違うと思う:そうでもしないと本当に足がない

*3:2019年2月現在のダイヤ

手取川にさよならを(4)食糧事情

 食糧事情は津山に比べ大きく改善した。というのも自動車による恩恵が大きい。好きな時間に好きなものを食べに行けるからだ。2年半で25キロ太った。逆に言えば津山でどれだけひもじい思いを……やめておこう。痩せたければクルマを捨てて自転車で頑張ってスーパーに行き、1週間に1回だけ買い物をする生活をすればよろしいことがわかる。常に欠食児童みたいな顔をして過ごすことになるが……。

 

 クルマで食いに行けるチェーン店の食事を並べても仕方がないから当地・石川で食える安くて美味いものに限って紹介する。

 

・ホッコクアカエビ

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 平たく言えばアマエビのことである。なぜか安い。

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 とにかく安いが殻と頭がついているのでこれを外しながら食べる。なに、ひとパック食べる頃にはコツが掴めてバクバク無言で貪り食うことだろう。世間様が言うアマエビが高級食材というのは人様に出せるほど綺麗に殻を剥く手間賃だと理解できる。うまい。

 

ホタルイカ

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 同じく安くてうまい。

 

・ブリ/フクラギ

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 切り身は漬けておいて照り焼きにする。うまい。

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 刺身も安い。

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 サクで買ってきてヅケにして翌日の朝食にも。

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・寿司

 海産物がたくさん採れるので当然うまい。日持ちしないガスエビやら高級魚ノドグロやらなんでも酢飯に乗せるとうまい。隣県富山で採れる白エビもうまい。

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8番らーめん

 いろいろ食べたが唐麺(汁なしらーめん)がいちばんおいしかった。

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金沢カレー

 三井住友銀行で駐車券をもらって近江町の地下でチャンカレを食べることが多かった。うまい。

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ハントンライス

 グリルオーツカで食べた。うまい。

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・山菜と川魚

 手取川に沿って上流の方まで行くと食べられる店が出現する。うまい。

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・酒

 だいたい手取川の4合瓶の一番安いやつかその次を買ってぱかぱか飲んでいた。地酒なんだから地元でフードマイレージ小さくじゃぶじゃぶ飲むのがよかろう。うまい。もっとこだわる人は直接吉田酒造店まで行って要冷蔵の生酒とか買ってた。うまいらしい。そこまでしなくても県内ならスーパーで買える。やすい。うまい。

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Q:ふだんからそんなうまいものばっか食べやがって! エンゲル係数! でぶ! がちゃぴん! むっく! 贅肉倉庫!

A:ふだんは業務スーパーの冷凍鶏肉を2キロ甘辛く炊いたりうっかり豚汁を作りすぎたりチャーハンとかパスタとか質素な食事をしています(デブ)。

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手取川にさよならを(3)パークアンドライド

 今日は当地石川県から東京や大阪に出る話をします。と言っても、主に交通手段の話ではなく駐車場の話をします。何故ならば家に便利な運転手役をしてくれる同居人が居ないからです。一般的に実家に常駐するオカンというサーバは多機能高性能で日中おおむね障害なく稼働するため忘れがちですがたいへん便利です。頼った上で礼を言いましょう。しかしながら独居社畜はオカンというサーバを使えませんから「自家用車で自宅から30キロ程度の任意の地点まで迎えに来て♡」という手が封じられています。逆説的に申し上げれば自宅駐車場にクルマがなくて困るという文句を言う人間が居ないとも取れます。そこで駐車場代と駐車時間と利便性で最適解を出そうというのが人間というもの。二年半の間に使ったり使わなかったりした駐車場とその評価を書き連ねたいと思います。

 

金沢駅 ×使わなかった

 はじめに書いておいて酷評するのが金沢駅の駐車場。JRで長距離のきっぷを買うと割引になるなど、公式ヅラしている時計駐車場は1日1,500円、JRのきっぷを買っても1,000円にしかなりません。割引は3日までだし。

 駅から10分程度歩くと1日最大料金が600円のコインパーキングもチラホラありますが、どこも48時間以上の駐車は事前連絡が必要ですし、なにより空いているという保証が(時計駐車場含め)ないので、列車・バスの発車寸前に駐車場難民になる可能性も……。

 コミケに前日入りして3日間遊んで帰ってくると、時計駐車場に停めて割引券を通したとして4,500円、割引を忘れると6,000円。よしんば600円のところに停められたとして2,400円というのはなかなか高価ですから選択肢からは真っ先に外れます。

 

美川駅 ○よく使った

 金沢から北陸本線上り列車で5つ目の駅です。特急列車は止まりませんが金沢と小松のちょうど中間地点ぐらいにあります。駐車場は1回200円で4日まで。駐車券は発行されず、出庫時に200円を投入するとゲートが開きます。金沢までの電車代は320円ですが、美川駅発着で長距離のきっぷを買えば、行先によってはもっと安くなります(東京なら、金沢発着との差額は片道220円。大阪なら片道あたりマイナス320円)。往復と駐車場代を合わせて最大840円で4日間も停められるため大変オトク。金沢から新幹線・小松からサンダーバードへの乗り換えで東京にも大阪にも足が伸ばせるいいポジションにあり大変便利です。

 

松任海浜公園 ▲あんまり使わなかった

 駐車券は無料ながらも大阪か小松空港行きの高速バス以外やってこないし駅は遠い、なんとも使いづらいところ。バスで行ってバスで帰ってくる覚悟をして使わないといけないため利用は1度きりでした。美川駅に停めておけば電車で金沢駅まで出て、行きは鉄道、帰りはバス(あるいは逆)とか、最悪美川駅に停めておけば飛行機とバスと電車を乗り継いでもタクシー呼ぶより安くなるので……帰りの手段が減ってしまう駐車場は使いにくいのでした。

 正確にはコミュニティバスが1日数本乗り入れてくるけど……本数が……ねえ……。

 

鶴来駅 ▲あんまり使わなかった

 駐車場はタダだけど金沢までの電車代と、乗り換えが1度増えるのを加味すると美川駅に負けるのでやはり使いませんでした。金沢市内までの日帰りでクルマを運転する気力のない日に使ったくらい。東京方面ならともかく大阪方面へは時間的なロスがすごいですし。あと終電の早さも美川より1時間ぐらい負けてて使いにくいのでした。

 

小松空港 ○よく使った

 1日400円の区画と500円の区画がありケチなので前者で最大4日まで使いました。クレカで払えるのもたいへんよろしい。羽田便しか使わなかったけどクルマ使える人間なら最高に便利。金沢駅にクルマを停めて駐車場代でハゲ散らかすぐらいなら飛行機が便利です(回し者かよ)。

 金沢駅近傍で安い駐車場が1日600円でちょっと財布的に抵抗が生まれるので、個人的には駐車場は1日500円が出せる限界だと(無意識のうちに)感じていたようです。

 

・そのほか使わなかった駐車場たち

 松任駅小松駅にも駐車場はありますが、美川駅と比べると値段が高いため使いませんでした。能美根上駅が1日200円なので美川の次に安いですが、美川駅が満車だったら使おうと思いつつそういう機会は訪れないまま今日に至ってしまった。

 北日本観光の佐奇森車庫は駐車場が無料ですが、松任海浜公園と同じくバスで行ったらバスで帰ってこなければならない立地で、これもまた使いませんでした。

 北陸鉄道南部車庫もかつてはパークアンドライド用に敷地内駐車場が使えたのですが、子会社の本社と車庫が敷地内に移転してきたためか、「平成30年4月~ 北陸鉄道南部車庫は休日パークとしてご利用はできません」との文面が書かれ、公式に・大手を振っては利用できなくなったようです。

休日パーク&ライド

 

●総論:金沢駅の駐車場が貧弱すぎる

 せっっっっっっかく北陸新幹線が開業したのにちょっと郊外から新幹線に乗ろうとすると駐車場がケチすぎて、なるほど送り迎えをしてもらえる人間が多数派だからそれができない人間は地主に高い金を払って駐車場を使うか、あるいは最終が早くて本数の少ない電車バスを乗り継いで金沢駅まで来やがれというアツいメッセージを感じます。

 東京から来たお客さんはスプロールで無秩序に建った郊外の住宅まで来ないもんな、駐車場要らないもんな……。

 とはいえ土地が民間の駐車場に抑えられていてはどうしようもないため、大量の無料駐車場とセットで北陸新幹線白山駅を新設、という構想があったようですが、無事に費用対効果が悪いと判断されてポシャったので永久に駐車場足りなくなってろと思います。

 お隣の新高岡駅は1日600円だけど新幹線使ったらタダになるんじゃなかったっけ、と思ったら1日目しかタダにならなかったの巻。ダメじゃん。こっちは「駐車場が混雑するので送迎か公共交通を……」の文字すらあり、なるほど早くクルマをぶつけたり擦ったりしない女とくっつけという圧を感じる。まあ田舎から出てっちゃうんですけど……。

 美川駅はその安さから通勤利用もされているようで、平日10時とかに行くと残り1台とかになっていて滑り込みセーフだったりもしました。始発・最終どちらの新幹線にも接続できて便利だもんな。パークアンドライドってそうじゃなきゃな。

 

 

 なんのかんのと言いつつ東京に越したらまた境遇に対し何かしらの文句は出るでしょうし、隣の芝が青く見えがちであるという事実は未来永劫普遍の真理であり続けるのでしょう。

 

 同居家族と同じ場所に遠征すれば高速代払ってもコスパ最高とか言わない。