皆様は自炊と聞くとどういう行為を思い浮かべるだろうか。一般に自炊とは、自分のために、ひいては自分の家族や仲間で食べる食事を用意すること、と一般的に考えて良いだろう。自炊がエラいとされる理由は様々であるが、「自炊は安い」と考えられているし、「外食ばかりでは栄養が偏る」という見方もある。「幸腹グラフティ」というアニメがあったが、あれは「自分で自分のメシを作るだけでは味気ないが、一緒に食べるご飯は美味しいね」という趣旨であるというのを分析した記事もあるぐらいだから、「誰かのために作る」というご飯はとてもとても尊いのだろう。
ある日、いつものようにぶーらぶらとtwitterをしていると、「艦隊これくしょん」の二次創作SS*1である、「不知火に落ち度はない」が流れてきたため、最初の話から全部読んでしまった。いわゆるツボったというやつである。全部読んだらエラい時間になってしまった。とんだ時間泥棒である(褒)。
そのなかでも、とりわけ鎮守府内で愛人みたいなポジションの艦娘、駆逐艦「浜風」が肉じゃがをこしらえて提督に食べさせるシーン前後が強烈な甘酸っぱいぱんつとともに脳みそに強く染み込んだ。読了した30分後、わたしは西友で鍋・包丁・まな板と肉じゃがの具材・砂糖・みりん・醤油・料理酒などなどを買い込んでいた。そう、ラーメンを茹でる片手鍋は持っていても、煮物を作るグッズはまるで持っていなかったのだ。食生活が悲しい世界であった。文明開化はツボった作品がもたらす。影響されやすい性格がプラスにはたらくこともある。
http://t.co/8Ci1qLe0jC っていうまとめを読んでいたら急に浜風が作った肉じゃがが食べたくなった。豚トロじゃなくて牛肉だけど。浜風が作ってくれたっていう設定で食べる。 #落ちぬい pic.twitter.com/F1nSK5uvj4
— 笹松しいたけ (@s_sasamatsu) 2014, 7月 15
初めて作った肉じゃががそれなりに旨かったのでその後もちょいちょい自炊するようになった。食いたいものをググってクックパッドの中からまともそうなものをピックアップして分量から材料からまるまるコピペするように作れば大きくハズさない……と思う。「アレンジャー」とか「モノシラズ」っていうメシマズスレで出てくるような行為を避ければよろしい。
ところがだ、自炊ったって自分で自分のために作る行為であり、冒頭で出した「幸腹グラフティ」でもそうだったが、これはこれで味気ない行為なのだ。そこで、私は「これは私が作った肉じゃがではなく、『不知火に落ち度はない』作中に出てきたドチャシコ駆逐艦の浜風が作ってくれた肉じゃがなのだ、ただの自作肉じゃがではなく、コスプレの小道具に近いものだ」という、コロンブスの卵をロードローラーで平らにならしてしまう発想の転換をした。これがライフハックである。むしろ脳みそを騙すから脳ハックだ。ハックよりもファックがしたいがひとりではハックが限界だ。
夢の中でなら3回ぐらい中出しファックしたことがあるしもうぼくは童貞じゃない(脳ファック)。