ガバガバ言語学I
おはようございます。この講義では出席を取りません。単位も出しません。それでも良ければご一緒致しましょう。
今日のテーマは「単語・熟語」です。単語・熟語というのはどのようにして生まれるのでしょうか。その概念が遍く一般化され、おおよそある程度の範囲で共通認識として捉えられるものに対して単語が生まれます。
なんでも良いです。例えば「洗濯機」という単語について考えてみましょう。というよりもこれは「洗濯をする機械」が転じて洗濯機になったと考えられます。そのためには「洗濯」という単語が「衣類を界面活性剤や水を用いて洗浄する行為」である、という共通認識が根本にあるわけです。衣類を洗浄するというのが広く一般的に行われることだからこそ洗濯機という単語が通じるわけです。
ところが、知識がないとまるでなんのこっちゃら分からない単語もあります。例えば銀行で用いられる「代手」というものがあります。「課長ダイテください」なんつって言うらしいですがなんのこっちゃら。「代金取立手形」の略称だそうです。ぶっそうな。この場合「代手」という単語は銀行関係者とかその絡みじゃないと通じないけれども単語としては成り立っているわけです。
従いまして「膣内射精」という熟語も膣内に射精するという一般世間でのコンセンサスが取れているからこそ濫用しても意味は通じるわけです。公序良俗に反しているかどうかは置いておくにしても、膣内射精と書いてナカダシと読んでも通じるわけですから外国語話者にとって日本語というのは複雑怪奇でしょう。
しかしながら「ナマナカダシ」という表現もあります。どういうことでしょうか。コンドームを付けても射精場所が膣内であれば「ゴムナカダシ」として膣内射精の一部として解釈する向きがあるようです。「ゴム」という条件が追加されると若干意味が変わってきますので、対義的に「ナマ」という詞を振ってやる表現としてのナマナカダシでしょう。それでも、私は一般的に「ナカダシ」というのは膣内射精のことであってコンドームを使わず避妊もする気がない射精行為を指す、と考えています。
今日もどこかで膣内射精が起こっているのだと考えると夜はぐっすり眠れることでしょう。あなたが射精したかった膣内は昨日死んだ誰かが死ぬほど射精したかった膣内なのかもしれません。
日本語ネイティブでほんと良かった膣内射精。