新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

箱名の入江

 左手で石川県を形作ったとき、人差し指の付け根のあたりが輪島、指の先がスズトウシャドウ印刷のある珠洲、親指の付け根あたりが七尾・和倉温泉になることはすぐお分かり頂けると思いますが(挨拶)皆様いかがお過ごしでしょうか。

 諸事情で引越が伸びたので気になるスポットに行っておこうと、査定金額が0円に等しいクルマのメーターを回す日々です。今日は「箱名の入江」をご紹介。手で作った石川県の親指と人差し指の間に浮かぶ能登島にあります。

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 検索窓に「箱名の入江」と入れると現在では釣りスポットになっていて、春から秋まで入江に浮かぶ筏まで連れて行ってくれるようです(要予約・有料)。筏でなくても岸から釣りをするとマコガレイなどが釣れるようで、釣果をwebで見られます。実際に行ってみると確かに七尾北湾からさらに深く能登島に入っていて、両側は森が迫り、波も穏やかで、まるで湖のよう。水深も十分あり、形だけなら船のドッグに見えなくもない。……このあたりでピンと来た方も居るでしょう。そう、ここ能登島・箱名の入江は大戦末期、旧海軍の軍艦が米軍機の空襲を避けて疎開していたらしいのです。

 で、その軍艦の一隻が練習巡洋艦・鹿島だそうで、つまるところ能登島・箱名の入江というのは鹿島が終戦を迎えた場所らしいのです。

 ……らしいらしいと伝聞調で書いていくとどこかいい加減な感じがしてしまいます。ソースは北國新聞朝刊2017(平成29)年8月15日23面「能登島に軍艦隠しの入江 終戦間近 全長100メートル超の『鹿島』」ということで記事になっていますのでお近くの図書館等で取り寄せできます。隣町の図書館で縮刷版からのA3カラー複写が30円でした。タダ同然かよ。なお、この記事はスマホカメラで撮影した画像がtwitterにアップされており……その……著作権と出処的にはたいへん怪しいのですが、まあ読むことは可能です(URLを貼ることはしませんが)。

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 いくら日本海とはいえ七尾湾の中、さらに4キロも入ったところにある入り江では波もないにひとしく、飛び交う鳥の鳴き声しか聞こえない静かなところです。1945年7月末、米軍機から隠れ、息を潜めていた鹿島の乗組員はこの地で何を思ったのやら。

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 潜水学校七尾分校が設置される等、終戦直前にバタバタしていた能登の地も、70年の月日を経た現在は人口減少による衰退が激しく、七尾駅前のショッピングモールの運営が行き詰まったことが報道される等なかなか厳しいようですが、のどかなところです。

 

能登島・箱名入江(七尾市能登島曲町)

アクセス:金沢から自動車で約100分

 

※艦これで鹿島を持ってません

※出ろ

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