新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

手取川にさよならを(6)プロパンガス

 これがもう利権なんですよプロパンガス。賃貸住宅のユニットバス設備をガス屋が負担して設置し、大家負担が0円だからと、都市ガスの使える地域ですらプロパンボンベが並んでいる集合住宅があるくらいズブズブの利権です。

 

・高い

 よく定性的に言われる「プロパンガスは高い」という説を検証するために、千葉にて東京ガスで暮らした4年間とプロパンガスで暮らした3年間の比較をしてみましょう。

都市ガス4年間の合計:1387 m^3

金額:244,685円

都市ガスで一年暮らした例

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プロパンガス3年ぐらいの合計:412.3 m^3

金額:370,801円

プロパンで一年暮らした例

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 都市ガス(13A)とプロパンは1 m^3あたりの熱量が約2.23倍違いますから、プロパンの量を都市ガスに換算すると約919.4 m^3になります。

 基本料金や季節ごとの使用量変動を無視して雑に都市ガス換算1 m^3あたりの金額に換算すると、プロパンガスで都市ガスと同じだけの熱量を得るために2.29倍の金額が費やされたことになりました。うわあ。こうして計算すると東京ガスという会社が慈善事業か何かをやっているふうに見えます。

 

・なぜ

 請求明細を確認してみましょう

基本料金 2,300円(都市ガスの2.2倍程度)

従量料金 690円/m^3(同一熱量を都市ガス量に換算すると309円/m^3、つまり2.6倍)

 暴利か。使わなくても契約しただけでまず都市ガスの2倍取られ、使えば使うほど都市ガスの3倍近い単価で取られるのですからおそろしい。にも関わらず2.29倍でおさまっているのは私が単にケチでプロパン屋に儲けさせてたまっかと冬場に水で洗い物をしたりと微妙にケチったせいかもしれません。逆に、都市ガスで暮らしていた頃は文字通り湯水のごとく湯水をつかっていてその金額で収まっていたということに他ならず、やはり東京ガスは神であることがわかります。ありがとう東京ガス

 

・避けられないか?

 プロパンガスを契約しない、ということすら考える価格差です。避ける方策はいくつか考えられますが、炊事に関してはカセットコンロ・IHヒーターの設置*1等、いくらでも手はありますが、プロパンガスの物件は「コンロ設置済みです^^(どんどん高いガス使え)」などという場合もあります。強い意志を持ってケチりましょう。

 

 しかしながら風呂がどうにもなりません。風呂バンス等の投げ込みヒーター*2がそこそこの価格で出ており、1~2年で元が取れる計算ではありますが、シャワーがどうにもなりません。厳密にはアウトドア用の電池式シャワーを使って湯船から組み上げればどうにかなるのですが、大掛かりな上に、湯船の湯は清浄な水道水ではないため清掃箇所が増えて面倒でしょう。

 

 それらを考慮し、「プロパンガスに苦しめられる田舎暮らしは数年限り……」と強く念じながら断腸の思いでプロパン屋にカネを払い続けました。プロパン生活は結果として3年で一旦終了する見通しです。

 

 ちなみに、持ち家ならば灯油を使う・エコキュートを設置する等いくらでもプロパンガスに頼らず、投げ込みヒーターとアウトドア用簡易シャワーによるなんか微妙な風呂生活を送らずとも文明的な入浴ができます。

 あと諏訪とかの一部湯量が豊富な温泉脈に恵まれた街では水みたいな値段で公営の温泉給湯が得られるそうですね。自宅に熱い温泉の出る蛇口が設置できてしまう街、すごい。

 

 

 実家も生家もフツーに四国ガスの管が伸びてきてるからあのへん田舎じゃないんだな(おめめぐるぐる)。

*1:とはいえ賃貸だと200 VのハイパワーIHヒーターは設置できず、100 V仕様を買ってくる必要がある

*2:電気用品安全法的にアヤシイ製品も多数あり、これらこそ隠れたプロパン利権かもしれません……