新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

えいがかん

 今日は金沢近郊の映画館事情のお話。歴史じゃなくて現在の、消費者としてのやつです。

 金沢の繁華街と言えば武蔵が辻~香林坊~片町あたりを指します。アニメイトやグレップ等、おたくテナントが入ったビルは片町にほど近い竪町(たてまち)にあり、日銀・三菱UFJ銀行香林坊に、三井住友銀行は武蔵が辻のあたりにあるなど、他所からやってきたオタク*1がとりあえず寄るのはこのあたりでしょう。

 

 映画館はというと、駅前のビル「金沢フォーラス」の中にイオンシネマがあります。金沢駅は、少し繁華街から外れたところにあります(と言っても武蔵が辻交差点から1キロほどですが)。その他の映画館は公共交通機関で行くには不便なところばかりで、クルマを使うことになります。中心市街地・駅近辺は道路も狭く、どこに止めても駐車料金が発生する*2ため、なるべくなら避けて生活したいところ。クルマに乗って生活するなら他の映画館行きゃあええやないか、という話になるのですが、残念ながらイオンシネマ金沢フォーラスでしか上映されない作品が多々あります。そうです。おたく向けの作品は,クルマを持てない中高生でも到達できる唯一の映画館、イオンシネマ金沢フォーラスでしか上映されないのです。これはもちろん、おたく消費者が少ないことに起因しているのですが……。

 たとえばいまだとFate、かつては、ごちうさだったり、リゼロのOVAだったり、ちょっとおたく入ってるタイトル*3は金沢フォーラスでしか上映されません。おたく入ってないタイトルというのはたとえば「レディ・プレイヤー・ワン」「カメラを止めるな!」「累-かさね-」「若おかみは小学生!」あたりで如何でしょう。これらは郊外の映画館でも上映されていました。

 

 郊外型のイオンモールに併設された映画館だって普段から客がバンバン入っているわけではないのです。平日昼間は各スクリーンに5人も入っていればいいほうでしょう。とある平日に昼下がりからレイトショーまで同じ映画館で続けて映画を見ましたが、3タイトル見て客の人数が5人・1人(貸切状態)・8人でした。

 あちこちにイオンモールが乱立し、イオンシネマが併設されてスクリーンの枚数は増え、朝から晩まで遊んでいるスクリーンがない程度にスケジュールが埋まっては居ますが、都心みたいなお客さんの入り方はしないわけです。電気代やらを考えるとイオンによる慈善事業か何かに思えてきます。ありがとうイオン。田舎に映画館が少ないのは需要が存在しなかったからだった。なんちゅうこった。

 

 東京だとシネ・リーブルだったりヒューマントラストシネマだったり、都心の隙間にあるタイプのちいさな映画館でおたく向けタイトルをこまめに上映していたりして、なるほど需要が少しでもあれば上映館が湧くのだと理解できます。フラっと観に行ってタイムラインに目をやれば、直前の回を観賞した知り合いのおたくが居たりして入れ替わりに会えたりするかもしれません。

 

 なんにせよ、上映館がゼロではないので、スケジュールに観たいタイトルが含まれているうちに行こうと思います。ただでさえ少ないイオンシネマ金沢フォーラスのスクリーンを少なくないタイトルの映画で奪い合うわけですから、うかうかしていると東京や大阪まで観に行くハメになってしまう。かつて津山に住んでいた頃はもっとひどかった。津山には映画館がなく、公民館のホールで幸福の科学が作った映画を上映しているのが関の山でしたから……。

 

 映画が観られる環境にあるというだけで幸せなことなのだから、シネコンがどんどんスクリーンサイズの調整をしなくなっているのも甘んじて受け入れるべきなのでしょう。最近だとミント神戸の映画館で予告編が終わってカチャカチャ……と暗幕が動いてくれて感動しましたが、今や貴重なシーンではないでしょうか。

togetter.com

*1:移住者と旅行者の両方を指す

*2:もちろん、イオンシネマ金沢フォーラスで映画を見れば3時間だか駐車料金は無料ですが

*3:独断と偏見