新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

手取川にさよならを(5)図書館と本屋

 どのみちクルマがないと文化的な生活は送れないのであるが、それはそれとして本屋と図書館がないと死んでしまうのでお世話になったところは並べておきたい。おたくは書物の供給が途絶えるとすぐに死ぬ。

 

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・文苑堂書店

 隣県富山の資本らしい。8号沿いの、イオンタウンの隅にある。そこそこデカい。でも常に棚卸し、あるいは棚整理をしていて専門書1コーナーがごっそりなかったりした。人が足りてないのだろうか……。田舎の一般書店には珍しく(?)美少女文庫の取扱があった。

 

・明文堂書店/金沢ビーン

 これも隣県富山が本部らしい。大丈夫か石川県。知識が隣県に侵略されているぞ(?)。別に石川も富山も嫌いじゃないが。

 金沢ビーンズはそこそこでかい書店で、ここになければAmazonしたほうが速いと思う。県庁方面。ここにはフランス書院文庫、いわゆる黒本の取扱があった。

 近所の明文堂書店はツタヤ併設で深夜2時までやってて便利。ただまあツタヤの本屋なのでという印象は拭いきれない。娯楽の本はだいたい揃うんだけど。

 

・うつのみや

 金沢駅の専門店街に入っている。ここは金沢が本店らしい。駅に寄るついでに使った。

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 本屋の帰りが取っ手付き紙袋だとやっちまった感がすごい。

 

Amazon.co.jp

 おまえがなかったら今頃死んでる。たぶん死んでる。低血糖起こして痙攣してる。マジ愛してる。新宿の紀伊国屋かせめて津田沼丸善ぐらいは近所にあって欲しいんだけどそうも行かないからAmazonしゅき。まじしゅき。だいしゅき。

 

 

 Amazonがあっても、便利でも、それでも物理書店に通って買い物はする。人間は立ち読みして何かしらを買う生き物だからだ。それはそれとして立ち読みできないシュリンクパックのコミックの売上で書店が成り立っているという説もある。そして書店員バイトに関しては地域の最低賃金を10円か50円単位に丸めた薄給であることが多い*1再販制度はどこで買っても新品書籍が同価格であり返品が効くという便利な仕組みであり、田舎のおばあちゃんが一人で店番しているような書店の維持には役立ったが、1商品あたりの利幅が大書店小書店インターネット書店で同一であるという問題点また露呈してしまった。っていうか600円のコミックを送料無料でポストに投函してくるAmazonきみさあ利益出てへんやろ????? クレカの分割払いされただけで店の儲けがなくなるような利のうっっっすい商品でようやるわ。あの会社はインターネット書店じゃなくてAWS屋だからというのも分かる気がする。インターネットオタクが道楽で本屋やってるようなもんか。違うか。

 大学に居た頃は大学生協で本が1割引(……だったっけ)になるからHonya Clubで注文して大学構内で受け取ることが多かった。Amazonに比べると検索性やら納期やらに難があるが、大量に本を買い大量に本を積む人種であるから1割引かれるため背に腹は代えられない。流石に成年コミック大学生協に取り寄せるほどズ太くはなれなかったが……。だってレジのおばちゃん4年間ずっっと同じ人らやで。

 

 

 本屋以上に貴重なのが図書館である。田舎は図書館が少ない。正確には点在するがやはり自動車が便利である。バス電車バスバスと乗り継いで自宅から2時間はかかろうかという図書館までも30分でたどり着ける。公立の図書館はノートパソコンを持ち込んでモリモリ作業するようなブースがなくて背後が気にかかるのであまり行かなかった(背後を気にするような作業を図書館でするな)。

 

・金沢大学附属図書館

 地方は公立の図書館が少ないからか、はたまた偏在しているからか、卒業生でもない一般近隣住民への貸出までやってくれるありがたい図書館が金大にある。

 ただまあ、大学図書館であるから試験シーズン等混む時期に長居するのは申し訳ないからカレンダーで確認してから出掛ける必要があった。間借りさせていただくような暇人が超繁忙期にでけーツラして居座ってたら、都内の大学みたいに一般利用させてもらえなくなるかもしれないから……。東京都内の私大はだいたい公共図書館を経由して資料提供する程度しか卒業生以外の一般利用ができない。歳食った大学生ごっこしてノートパソコン持ち込んでブログやら同人の原稿やらやらせてくれるほど土地が安くないということか(図書館の趣旨に合わないだろ)。

 金沢大学角間キャンパスは「Angel Beats!」の作中に登場する学校によく似ているらしく、言われてみれば谷に架かる橋なんかもそれっぽく見えてくる。ただ角間は山の上で、金沢の中心部である香林坊・武蔵エリアも遠いし商業施設が多い8号の海沿いも遠い。発動機が欲しくなるキャンパスだ……。

 

北陸先端科学技術大学院大学附属図書館

 道路の青い看板にアルファベットでJAIST HOKURIKUって書いてあるあれだ。能美の丘の上にある先端大。公共交通不毛の地かと思えばなんと北陸鉄道石川線鶴来駅から、たいていの列車と1対1対応する形で無料シャトルバスが出ているからびっくりする。これが森喜朗のチカラか*2。「たいていの列車」と書いたが、下り・鶴来行きに限れば、石川線に乗ってきてJAIST行きのバスがないハズレは1日3本だ*3

 特筆すべきは、一般利用も24時間可能であるということ。平日の昼間、職員さんがいる時間に一度利用登録をして本人確認書類を見せると入館証をもらえるが、その後は年度末まで24時間入退館自由で当然のように貸出もしてもらえる。びっくらこいた。夜中の2時にノートパソコン持ち込んで同人の原稿をやったり(そういう使い方をするんじゃない)ノートにプロット書いたりしながら、飽きたら読む本が山ほどある。猫に鰹節である。

 どうでも良いけどJAISTは「Japan Advanced Institute of Science and Technology」らしく、どこにもHokurikuの記述はない。トーキョーを思い浮かべてやってきた留学生は詐欺か何かだと思うのではないか。当初予定では埼玉あたりに作る予定だったらしいが、ぜんぶ森喜朗が悪いということでどうか丸く納まって欲しい。 

 

 田舎でも文化的に過ごせるぞと書こうとしたらやはりクルマが要るという結論になった。人権が自動車の形をしている……。

*1:だいたい店内に募集のビラが貼ってある:千葉はH23年時点で最低賃金748円を丸めて750円という本屋があった

*2:違うと思う:そうでもしないと本当に足がない

*3:2019年2月現在のダイヤ