新スクの淵から

笹松しいたけの思想・哲学・技術・散文。

Raspberry PiでADS-Bを受信してFR24のBusinessアカウントを無料化する

表題の通りですが、なんのこっちゃいという話を補足しながら忘備録がてら書いておきます。

・Summary

1.なるべく低廉に(重要)ADS-Bを受信してFR24にFeedし、年間約500USドル相当のFR24有料アカウントを無料化する(→けして遠くの飛行機からADS-Bを受信しようというレベルの高い試みではない)

2.すでにセットアップ済みで電源を入れると宅内LANを経由しインターネットに繋がるRaspberry Pi4が自宅に存在しているのでこれを利用する(→なるべく低廉に)

3.セットアップ手順についてはいくつかのサイトをほっつき歩いたのち、なぜか動いた(おい)ものを採用した

・概略

飛行機雲が尾を引くような、空を飛んでいる飛行機を眺めたことはあるでしょうか。ちょうど頭上を通過していく飛行機がどこから来て、どこへ飛んで行くのか、気になりませんか? そんなアナタにピッタリのサービスがFlightRadar24(FR24)です。

www.flightradar24.com

これの仕組みについては正しいかどうか保証しませんが、Wikipediaらへんがやはり良くまとまっているように思います。学術的目的でないので眺める程度ならば良いでしょう、厳密な説明は詳しい人に任せましょう。

ja.wikipedia.org

この記事において重要な記述は一行ですので、引用します。

航空機から発信されるADS-Bの電波を世界各地の有志およびFlightradar24が設置した受信システムによって受信し、Flightradar24のサーバに転送したものである

ということです。

「世界各地の有志」とはなんぞや、何か恩恵があるのか……? ということですが、ADS-Bの電波を受信してFR24のサーバに提供(Feed)すると、FR24の有料アカウント、それも最上位のもの(年間499.99USドル)が無料になります。マジで?

……ということで、「なるべく低廉に」「FR24の有料アカウントをタダにしてもらおう」という邪な趣旨で記事を書いていきます。

・買ったもの

R820Tを搭載したUSBチューナー、アンテナ付き(約3,500円)

以上です。本当はURLを貼ってご紹介したいのですが、安物は当たり外れがあり、ADS-Bを受信できない製品も存在しているとのことで、まずここがガチャなんですが、運良く一発で受信できるハードウェアを引きました。

メーカーさんでバラして水晶発振器を載せ替えて確実に受信できるとしている製品もありますが、6,000円くらいします。

Amazon | R820T2 & SDR+TCXO(温度補償型水晶発信器±0.5PPM)実装カスタムチューナー単品Blue[RTL2832U+R820T2][広帯域受信用][High quality USB-CN][RTL-SDR専用] | SHAFT CORPORATION | 受信機・レシーバー

こっちを買うとアンテナは付属していなさそうです。

・設定

「Raspberry Pi4上でRaspberry Pi OSが動いていて、宅内LAN内でIPアドレスを固定してあり、WindowsからTeratermSSH接続できる」ところからスタートします。

下記サイトの設定(コマンド)をほぼ丸ごと採用しました。

darumaya.ddns.net

コツ、というか他サイトの設定例で私が上手く行かないヘボでもわかりやすかった点ですが、

○FlightAwareの設定をしてしまうついでにdump1090を常駐させる(→サービス化する、ここが上手く行かなかった)

○FlithtAwareが提供してるローカル向け表示機能(8080番ポート)のほうがFR24のものより上手く動いた

→dump1090が動いている状態になるので、その常駐しているdump1090を活用してFR24feedの設定をする

→sudo rebootしてもサービス化しているので手間なくすべて立ち上がってくる

です。

・物理的な実装

ヘボなのであまり参考にはならないと思いますが、アンテナはベランダの地面に「設置」し、ケーブルはアルミサッシの雨水用隙間を通しています。こんなのでもFR24のfeederになるだけなら十分です。

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ヘボいな! こんなので年間500ドル! と思ったあなた、Feederやりましょう。思ったより簡単でしたよ(なお設定で沼にハマって半日溶かしたことは棚に上げておく)。